(ABA自閉症療育での行動の見方8)行動測定まとめ

このページで「ABA療育での行動の見方」の章を締め括りたいと思います。


行動測定のまとめページ

このページは行動をどう測定するか書いた章のまとめページです。



医学モデルで考えても解決には至らない

例えばあるお子さんが不登校になったとしましょう。ある人は不登校になった原因について「あの子は自閉症だから」と説明したとします。

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自閉症  →      だから、不登校になった

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他にもお子さんが不登校になった原因を「あの子は引っ込み思案な性格だから」と説明したとします。

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引っ込み思案な性格  →      だから、不登校になった

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杉山 尚子 (2005) は『「意思」や「やる気」や「性格」というものは行動に対してラベルを貼ることで、人は無意識のうちに「こころ」を想定し、問題行動を起こす原因はその「こころ」であると考えてしまいます』と述べました。

これは「医学モデルで説明をしたときの罠」であり、例えば「不登校」の原因を「自閉症」や「引っ込み思案な性格」という「ラベル」を原因として説明したとき、そこから解決策を導き出すことは難しいです。


「(ABA自閉症療育での行動の見方1)医学モデルとABA(https://en-tomo.com/2020/06/28/medicine-model-aba/)」

でも記載しましたが、このような「ラベル」によって行動を説明することを「医学モデル」と言います。

「医学モデル」は例えば「風邪」などの疾患の場合は有効です。

「風邪」は人によって「発熱」「頭痛」「吐き気」「寒気」「めまい」「関節の痛み」など出てくる症状の種類や重症度こそ違いますが、このような症状がいくつか観察されたとき、「風邪」と判断される可能性があります。

それらの症状群からいくつかが認められた状態に「風邪」という「ラベル」を貼り、そのような状態に対しては「風邪薬」を出す。

このように対応することでほとんどのケースで問題なく解決することができる場合、「医学モデル」で考えて対応することは適切な対応と言えます。

大切なことは、この場合「医学モデル」によってアセスメントされた結果から「風邪薬」という対処法(介入法)が導き出せること、そして結果、問題解決に結びつけることができることです。

しかし上記に例に出した「不登校」の原因を「自閉症」や「引っ込み思案な性格」で説明した場合はどうでしょう?

「自閉症」や「引っ込み思案な性格」が「不登校」の原因であると考えた場合、医学モデルの考え方で行けば『「自閉症」や「引っ込み思案な性格」を治せばいい』という結論が導き出せそうですが、この場合「風邪薬」のような何か有効な対処法(介入方)を導き出して、問題解決に結びつけるのは難しいと思います。



行動をどう捉え、測定する

ではどうすれば良いか?

ABAでは以下のことを意識し、問題解決を狙って行きます。

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・ ABAでは診断(自閉症)や性格ではなく、その子の「行動」に注目する

・ ABAでは「行動の前」ではなく「行動の後」に起こっている結果によって、今の状況(行動)が維持していると考える

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行動を「見る」ためには「測定」できる必要があります。

この章の

「(ABA自閉症療育での行動の見方2)死人テスト・行動の過剰と不足(https://en-tomo.com/2020/06/29/behavior-view-base/)」

では「ABAでは行動をどう捉えれば良いか」を書いて行きました。


そして、

「(ABA自閉症療育での行動の見方6)行動の何を測定する?(https://en-tomo.com/2020/07/05/behavior-view-base3/)」

「(ABA自閉症療育での行動の見方7)行動をどう測定する?(https://en-tomo.com/2020/07/06/behavior-view-base4/)」

ではどのように「捉えた行動を測定すれば良いか」について書いて行きました。


ABAでは普段私たちが「行動」と捉えないような「考える」、「感じる」などの皮膚の内側で起こっているものも行動と捉えることを

「(ABA自閉症療育での行動の見方3)顕在的行動と潜在的行動(https://en-tomo.com/2020/07/01/overt-behavior-covert-behavior/)」

で見てきましたね。

このように行動を捉えることで、私たちが行動問題に対して捉えられる範囲が一気に拡大します。


この章では上記で紹介したページから行動の基本的な見方について書いて行きました。

別の章では「ABAの理論的な内容」もみて行きましょうね。

N.Torneke (2009) は「関係フレーム理論(RFT)」というABAの比較的新しく出てきた理論について本を書いています。

彼はその本の中でABAの基本原理は「オペラント条件づけ」と「レスポンデント条件づけ」だと述べていました。

「オペラント条件づけ」と「レスポンデント条件づけ」は、別の章でそれぞれみていく内容です。これらの内容について知ることで今行っている行動はどのように学習され、増えたり減ったりするのか?についての理解が深まると思います。



最後に

William・O’ Donohue & Kyle・E・Ferguson(2001)は以下のように述べていました。

応用行動分析は、現実の場面や実際の問題に実験行動分析の原理や方法を応用するものである。

※ 応用行動分析学とはABAのこと

応用行動分析には3つの大きな分野がある。

(a)日常生活での行動についての理解を提供する。例えば、子どもはどのように発達するのか、など。

(b)問題行動ができあがり維持される過程についての理解を提供する。例えば、子どもはどのようにして手に負えなくなったり、反抗的になるのか、など。

(c)そうした問題行動にどう効果的に介入するのかの情報を提供する。例えば、発達遅滞を持つ人に日常生活のスキルをどう教えるのか、など

これらa、b、cの3点は特に発達に遅れのあるお子さんを持つ親御様にとっては魅力的な内容でしょう。

ABAには自閉症児への療育に対し、効果的であるという科学的なエビデンスがあります。

エビデンスは「ABAを用いてこういうことを行った場合、このような結果が期待できる」ということを教えてくれますが、気になるABAのエビデンスについては

「ABA自閉症療育のエビデンス(https://en-tomo.com/aba-therapy-evidence/)」

の章を是非読んでみてください。

※ 上のURLは章のまとめページです

読んでみると「かなり大変だな」と感じるかもしれませんが、やりようがあるということは私は幸せなことだと思っています。

ABA療育は自閉症児に対して「風邪」に対しての「風邪薬」ほど強力な効果はないかもしれません。

それでもどういった効果が期待できるのか気になる方は一度みていただけると嬉しいです。

真剣に自閉症児の療育を考える人であれば、読んでいただければ損はさせません。


Enせんせい

私としてはこのブログを通してABAに興味を持ってもらい、学び、療育に生かし、満足できる子育てライフを送ってもらえれば幸いです!


これでこの章は終了となりますがこれからも頑張って書いて行きますので、どうぞよろしくお願いいたします。



【参考文献】

・ Niklas Törneke (2009) Learning RFT An Introduction to Relational Frame Theory and Its Clinical Application 【邦訳 監修:山本 淳一 監訳:武藤 崇・熊野 宏昭 (2013) 関係フレーム理論(RFT)をまなぶ 言語行動理論・ACT入門 星和書店】

・ 杉山 尚子 (2005) 行動分析学入門ーヒトの行動の思いがけない理由 集英社新書

・ William・O’ Donohue  & Kyle E. Forguson (2001) The Psychology of B.F.Skinner 【邦訳: 佐久間 徹 (2005) スキナーの心理学 応用行動分析(ABA)の誕生 二瓶社】

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