(ABA自閉症療育での行動の見方6)行動の何を測定する?

測定するため行動をデータに変換する

「(ABA自閉症療育での行動の見方2)死人テスト・行動の過剰と不足(https://en-tomo.com/2020/06/29/behavior-view-base/)」のページでは

ABAでは「行動が変わった」とわかるよう行動は測定できる必要があり、そのためにどう行動を定義すれば良いのか?について書きました。

「(ABA自閉症療育での行動の見方4)結果がその後の行動を左右する(https://en-tomo.com/2020/07/03/behavior-view-base2/)」のページでは

行動の原因を探る際には特に行動の後を見ることが重要と書きました。

そして次の「(ABA自閉症療育での行動の見方5)行動の前も考える理由(https://en-tomo.com/2020/07/04/before-action-reason/)」では、

行動の後も重要だが、前を見ることで支援方法を決める上でのヒントなどが見つかることも書いてきました。

ここまで行動をどう見れば良いか?ということを書いてきましたが、このページは行動をデータ化し測定をするとなった時、何をデータ化すれば良いのかについて書いたページです。

私見ですがこの「データを取る作業」を大変めんどくさいと感じる人が多いため、ABAの敷居を高めている要因の一つだと思います。

でもすごく大切です!


データを取るのは面倒ですよね・・・

行動のデータを取ることは大事!でも、面倒くさい!!

個人的には何か結果を求める時というのはある程度のコスト(例えば面倒くささ)も必要だろうと思っています。

結果を求めた際はある程度のコストは必要です!

でも、そんなたいそうなコストではないことを伝えていければと思います。



行動の何をデータ化すれば良いの?

行動について何のデータを取れば良いのか?

Paul A. Albert & Anne C. Troutman (1999) を参考にすると以下のようなものがあげられます。

(1)頻度(ひんど)

(2)比率(ひりつ:パーセンテージ)

(3)持続時間(じぞくじかん)

(4)潜時(せんじ:指示を出してから行動が生じるまでの時間の長さ)

(5)反応型(はんのうがた)

(6)強度(きょうど:行動の強さ。例えば、声の大きさ等)

(7)場所(ばしょ:どこでそれが生じたか?)

だいたい上のような指標を良くデータ化します。

太文字のものは特に使用頻度が高いように感じるものです。

加えて、

(8)人(ひと:誰に対して生じたか?)

(9)言語内容(げんごないよう:特にお話の上手なお子さんの場合は使用します。何を話したか?です)

も個人的には応じて必要だと思います。

行動を変えよう、問題行動を何とかしようと思った時まずはこれらの上の指標から(もしくは組み合わせて)選択して行動を測定していくことが大切です。



迷ったら頻度かパーセンテージ、持続時間を測定する

「多すぎて何を選べばわかんないよ」と言った場合、とりあえず「頻度」か「パーセンテージ」、もしくは「持続時間」を選びましょう。


頻度を測定する

「頻度を測定する」というのは減らしたい問題行動、もしくは増やしたい適切な行動の「回数をカウントする」という意味で、単純に回数を数えれば良いため簡単です。

頻度を取る場合1回をカウントしなければならないので「行動の始まりと終わり」を決める必要があるでしょう。

例えば「手を上げる行動」を測定する際、「人差し指の先が腰の下にある位置から、耳の位置を超えて上に挙がった時」などは「行動の始まりと終わり」が定義されています。

また、頻度を測定する時は「測定する時間を統一する」ことも大切です。

Skinner. B. F (1966) は「行動の科学において自然に得ることのできるデータは、ある任意の行動がある時間において生起する確率である。実験的行動分析(※ここでは、ABAと同義語と思ってください)は、反応頻度や反応率の観点からその確率を扱う」と述べています。


Enせんせい

頻度の測定の際、

・『1回をカウントしなければならないので「行動の始まりと終わり」を決める』


・「測定する時間を統一する」


 の2点が大切です。

 以下、「測定する時間を統一する」について例を見ていきましょう


「測定する時間を統一する」ことの大切さを以下に記載して行きましょう。

例えば「食事中に食べ物を床に落とす頻度」を測定するとします。このようなことは例えば「食事中の食べこぼし」と呼ばれ、あまり好まれる行動ではありません。

例えば昨日は7回、今日は10回だったとします。

頻度だけを見れば昨日の方が上手くできていたように見えるでしょう。

しかし昨日の食事時間は20分で、今日の食事時間は40分だった。となれば、実は「今日の方が上手くできていた」となります。

そのため「食事を始めてからX分間」や「1日の中で」などといった毎日の「測定する時間を統一する」ことが大切です。

もしくは測定時間をバラバラで測定した場合であっても「10分間中の頻度」や「1分間中の頻度」を計算するようにしましょう。

上の「食事中に食べ物を床に落とす頻度」の例でいえば、

「昨日=20分あたり7回の頻度(20分で7回こぼした)」

「今日=20分あたり5回の頻度(40分で10回こぼした)」

この結果から、「今日の方がうまくできていた」というように「頻度を測る時間の統制」を行うことがコツです。


パーセンテージを測定する

「パーセンテージを測定する」というのは減らしたい問題行動、もしくは増やしたい適切な行動が「どれくらいの機会(チャンス)があって、何回出たか」ということを測り、「出た回数 ÷ 機会 ✖️ 100」で計算してパーセンテージを算出します。

パーセンテージは「この子は1ヶ月前はだいたい70パーセントくらいの確率でゲームに負けた時泣いていましたが、その後介入を行い、今はゲームに負けた時でも20パーセント程度しか泣かなくなりました」と言った場合に使える指標です。


持続時間を測定する

もし「立ち歩きの時間」や「泣いている時間」と言った一定時間続いてしまう行動に困っている場合は「持続時間」を選択します。

「持続時間を測定する」というのは単純に行動が始まってから終わるまでの時間のことで、ストップウォッチや行動の開始の際に時計をみて目視で算出する。などで大丈夫です。



測定したデータは記録しておこう

「頻度」も「パーセンテージ」も「持続時間」も測定し終えたらアイフォーンのメモアプリでも手書きメモでも良いので算出した数値を記録しておきましょう。

「記録しておく」ということは大切です。

私たちはすぐに忘れてしまいます。



【参考文献】

・ Skinner. B. F (1966)What is the experimental analysis of behavior? Journal of the Experimental Analysis of Behavior, 9 213-218【邦訳 スキナー著書刊行会 (2019) B.F. スキナー重要論文週Ⅰ 勁草書房

・ Paul A. Albert & Anne C. Troutman (1999) Applied Behavior Analysis for Teachers:Fifth Edition【邦訳 佐久間 徹・谷 晋二・大野 裕史 (2004) はじめての応用行動分析 二瓶社

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