この度Amazonのキンドルにて療育・教育の教材絵本を発売することとなりました。
記念すべき1冊目の絵本ですが「まる、しかく、さんかく」というタイトルの絵本です。
ページ途中Youtubeの動画がございますのでサンプルも是非ご覧ください。
ABA自閉症療育でも使える絵本となっております。
一つ、やりたいことが達成できて私は嬉しいぞーーーーーーー!!
ご購入は「https://amzn.asia/d/4DtV5bf」から!
また2024年現在「Kindle Unlimited 読み放題」でも使用していただくことが可能ですので、「Kindle Unlimited 読み放題」ご加入中の方はそのまま購入せずに読むことが可能です。
「著者名」は「Enせんせい」ですので、Amazonで「Enせんせい まる、しかく、さんかく」と検索しても出てきます
※ 海外版は「En Sensei」です
2024年2月9日にアップしたブログページ、
「私自身が達成したい目標、ブログの目的と自閉症療育の課題、そして今後の展望ー自閉症療育の課題(https://en-tomo.com/2024/02/09/purpose-of-blog-and-future-prospects/)」にて私から見た自閉症療育の問題点を4点提示しました。
詳細は上のリンクから読んでいただければと思うのですがその中で「1点目:ものすごく長い療育時間と期間」の今後の展望に、
療育で使用できる電子絵本を開発中でAmazonにて販売を考えています
この部分もブログ以外の「療育で何をして良いかわからない」等に貢献していければという思いで作成中です
と記載しました。
本章「発売中:療育・教育の教材絵本」の内容がそれにあたります。
ABA自閉症療育で使用できる内容を意識して作りました。
まだまだ拙いところもあるかもしれませんが、一生懸命作りましたので、どうぞよろしくお願いいたします!
「まる、しかく、さんかく」ー教育・療育教材絵本ー質問聞き分け課題・サンプル
以下が本の内容です。
①購入物には「サンプル」と「Sample」の文字はございません
②2024年現在「Kindle Unlimited 読み放題」でも使用していただくことが可能です
③上のサンプルは動画にてご紹介していますが、実際に購入いただいたものは動画ではなく手でスクロールすることでページを移動することができます
教育・療育教材絵本ですが表情や最後に家(箱)に戻って行く様子などもつけ「The・教材」というイメージをできるだけ無くそうと努力しました
お子様が楽しめるように工夫をしたのですが、親御様とお子様で一緒に楽しみながら絵本を使っていただければ本望です
最初の絵本に「質問聞き分け課題」を選んだ理由ですがABA自閉症療育をしていてここをクリアできるかどうかというところは1つの山場だと感じていることがあるからです。
正直、すぐにクリアできるお子様もいるのですが、なかなか難しいお子様もいらっしゃり、そういったお子様へ貢献したい気持ちで作りました。
最初に教材としてこの絵本をどのように使えば良いかをお伝えし、私がどうしてこの課題が大切と思っているかについて書いていきます。
「まる、しかく、さんかく」の使い方ー発語が可能なお子様向け
絵本「まる、しかく、さんかく」ですが、発語が可能なお子様に向けて「質問の聞き分け課題(質問弁別課題)」を行うときに使うことを想定しました。
サンプルを見ていただくと形の「まる」「しかく」「さんかく」と、色の「あか」「きいろ」「あお」のすべてのパターンが絵本の中に書かれています。
どこのシーンを切り取って使用してもらっても良いのですが、絵本に書かれているアイテムを指差し、
「いろは?」
「かたちは?」
と聞き、答え分ける練習に使用してください。
例えば「赤い丸」を見せて「色は?」または「形は?」と聞き、正しく答えます。
自閉症、発達や言葉に遅れのあるお子様は例えば赤い丸を見せて「色は?」と聞いたとき「丸」と答えてしまうかもしれません。
「色は?」と聞いているので、赤い丸のときは「あか」と答えなければ正解ではありません。
私はABA自閉症療育を行なっていて、このようなことを目にすることが何度もありました
もし赤い丸を見せて「色は?」と聞いたとき「丸」と答えてしまう場合はどうしましょうか?
お子様の間違いを確認し「あか」とヒントを出して間違いを修正します。
この修正は正解のヒントを出して行なっているのですが、このとき出すヒントは「プロンプト(prompt)」と呼ばれるものです。
そののち、お子様の正しく答えた行動を「強化」し、強めて行く中で正しく答える行動を増やし、相対的に間違いを減らしていきます。
この「強化する」ことがABAでは非常に大切になってくるので、ブログ内で是非色々見ていただければと思うのですが例えば「その結果は強化子として機能しているか?(ABA自閉症療育テクニック1)(https://en-tomo.com/2022/01/14/functions-as-reinforcer/)」などは参考となるでしょう。
それでもなかなか上手く行かないときはどうしたら良いでしょうか?
何度かやっていると、お子様に赤い丸を見せて「色は?」と聞いたとき「まる」と間違えることを予測することを織り込むことができるようになって来ます。
特に課題を始めた1回目はかなり間違う確率が高い、例えば休憩明けや日を跨いだとき7割以上「まる」と間違えてしまう場合はこのケースに当たるでしょう。
このようなとき、どうやって教えて行けば良いでしょう?
例えば質問する側が「何色? あか」
と、質問をしてすぐ続けざまに答えのプロンプトを与えます。
与えるプロンプトを「あか」ではなく徐々に少なく、
「何色? あ..」
「何色? (小さい声で「あ」)..」
「何色? (「あ」の口の形だけ)..」
と、質問する側は次第にプロンプトを減らして行きましょう。
このプロセスはプロンプトフェーディングとして知られています。
プロンプトフェイディング中もしっかりと強化は行う、という意識を持って行うようにしましょう。
1ページに1つのアイテムが書かれているページで練習をする方が簡単だと思います。
1ページに3つのアイテムが書かれているページで練習する方が難しいです。
1ページに3つのアイテムが書かれているページで練習する場合は親御様が3つのアイテムのいずれかを指差し「かたちは?」「いろは?」と聞いてあげてください。
周りに他の刺激がある分、1ページに1つのアイテムが書かれているページよりも難しいでしょう。
後半最後にあるの箱に入っていくページは9個(すべてのパターン)、6個、3個が見えているという構成になっています。
1ページに1つのアイテムが書かれているページよりも3つのアイテムが書かれているページで練習する方が難しいように、9個(すべてのパターン)が見えている場面で練習する方が難しいので、だんだんと上手くなって行ったらチャレンジもしてみてください。
また本筋とは違う使い方とはなると思いますが例えば、
・ 色が混ざり合うページで「何色と何色?」と聞いて2色の色を答える
・ 例えば「赤いまる」を見せて「赤いもの3つ教えて」や「丸いもの3つ教えて」といった頭の中でイメージをする課題をするときのヒントとして使用する
など他の用途でも使用いただければ嬉しいです。
是非、日々のABA自閉症療育でご活用ください。
「まる、しかく、さんかく」の使い方ー発語が難しいお子様向け
ここまでは発語ができるお子様への使用方法でした。
発語が可能なお子様に向けて「質問の聞き分け課題(質問弁別課題)」を行うときに使うことを想定し本書「まるしかくさんかく」は作成しましたが、発語が難しいお子様も充分に使用可能です。
発語が難しいお子様の場合、絵本をタッチして選択する課題に使用することができます。
例えば1ページに3つのアイテムが書かれているページを示し、
「まる」
「しかく」
「さんかく」
「あか」
「きいろ」
「あお」
と1つの刺激だけを伝え触って選択してもらう練習が可能です。
絵本中には3つのアイテムが書かれているページは全部で3ページあり、すべての形、すべての色の掛け合わせが絵本の中にあります。
そのため全部のパターンにて練習が可能です。
これは発語が難しいお子様に対しての「質問聞き分け課題」の実践だと私は考えています
難しい場合は、
「赤いまる」
「黄色いしかく」
「青いさんかく」
など2つのヒントを入れてあげると難易度が下がると思いますが、正しくは「質問聞き分け課題」とは言えないと思いますので、「質問聞き分け課題」の事前準備の課題といったところで捉えてください。
「まだ形がわかっていないよ」とか「まだ色がわかっていないよ」と言った場合は、
・ アイテムが1つ書かれているページを示し「あか」とか「しかく」とか、1つの刺激をお子様に見せながら言い聞かせる。言い聞かせたのち、お子様にも「あか」と言ったのち触ってもらう
・ 「形(色付き含)丸、四角、三角の絵カード(ABA自閉症療育教材)(https://en-tomo.com/2023/02/10/teaching-materials-shape/)」より絵カードのPDFをダウンロード印刷し、紙の教材で練習をしたのちに般化課題として絵本を使用する
などの使用用途も良いと思います。
※「形(色付き含)丸、四角、三角の絵カード(ABA自閉症療育教材)」から絵カードのPDFは無料でダウンロード可能です
発語を促す練習として音声模倣という方法があるのですが、これは例えば親御様が「あ」とモデル(お手本)を示し、お子様に「あ」とまねしてもらい、そのまねを強化するという練習です。
音声模倣からつなげる形で例えば「赤いまる」1つのアイテムが書かれたページをお子様に見せ、アイテムを指で示し「あか」とモデル(お手本)を示し、お子様に「あか」とまねしてもらいます。
徐々にモデルを「あか」から「あ」と少なくし、だんだんと声も少し小さくして行き、必要であれば口パクだけにして、口パクも徐々に小さくして行き、アイテムを指で示したのみで「あか」と言える(親御様のモデルというヒントがなくても1人で言える)練習を行う、ということも可能です。
自閉症児や発達に遅れのあるお子様の質問聞き分け課題が重要だと思う理由
質問聞き分け課題については「言葉を聞き分ける練習「うん」「はーい」「いいよ」などを用いて質問を聞き分ける(ABA自閉症療育テクニック24)(https://en-tomo.com/2024/02/16/discriminate-words-and-questions/)」にてブログ内でもご紹介をしましたが、
特に自閉症や発達・言葉の遅れのあるお子様は状況を把握するとき聴覚的な刺激(例えば伝えられた質問という音声刺激)よりも、
視覚刺激や「以前にそう答えたから」ということに引っ張られて応答をしてしまうことが多いように感じます。
例えば、私たちは日常の中で会話をするとき一緒に過去の様子をイメージしながら「あれ何やったっけ?」とか「だれがおった?」とか「いつやったっけ?」とか「そのまえどこいったっけ?」など、様々な質問を聞き分けてその質問に対応した答えを応答しています。
「言葉でコミュニケーションを取る」とはどういったことでしょうか?
例えば知り合いのお子様で、「ねーねー、僕ね ハンバーグ 好き」とお子様が私に向かって自発的に言ってきたとすれば、私は「そうなんか、この子ハンバーグ好きなんやなぁ」と思います。
でも、私が「今日 誰ときたの?」と聞いたときに「ハンバーグ 好き」とお子様が言ったとすれば、「この子は まだ言葉の理解はそこまで育っていないのかもしれない」と感じるでしょう。
言葉を扱うとき、相手とのやり取りの中で成立(ABAでは「機能する」と言う)しなければ、言葉にして発信できたとしても言葉を扱うことを充分にできていないと感じます。
本ブログページでご紹介している絵本で練習ができる「質問聞き分け課題」は難しいお子様にとっては結構難しく、お子様によっては山場となる課題です。
本ブログページでご紹介している「質問聞き分け課題」はクリアすることが難しいお子様にとっては難しい課題となり、なかなかクリアできません。
そのためどうしてもできない、と言った場合は一旦置いておいて別の課題に取り組むことも良いでしょう。
今後、ABAの「受容課題」や「表出課題」の方法についてもブログアップして行きますが、そのような方法を用いて、もし宜しければ本書を使用していただき、日々のABA自閉症療育に取り組んでいただければ幸いです。
さいごに
人生初となる絵本の出版となりました。
私自身、ABA自閉症療育を行なっていて「もっとこの世界が便利になったら良いのに」という想いで日々活動しています。
ブログは一方通行のやりとり、こちらから情報発信するやりとりではありますが、その中で、皆様とコミュニケーションを取りながら精一杯、日々頑張って活動していければと考えている所存です。
今後はオンライン等で関わりを持てる場を作ることも考えていますので、一緒にこの業界をもっと根太く、根強くしていければと言う気持ちでいます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
英語バージョンは「Circle, Square, Triangle(Learning & Education Children’s Picture BooksーABA Autism Education)(https://en-tomo.com/2020/02/05/circle-square-triangle-english/)」
ポルトガル語バージョンは「Círculo, Quadrado, Triângulo(Aprendizagem e Educação Livros Infantis Educativos para Crianças)(https://en-tomo.com/2020/02/05/circulo-quadrado-triangulo/)」
ドイツ語バージョンは「Kreis, Quadrat, Dreieck (Lernen & Bildung Bilderbücher für KinderーABA Autismus-Erziehung)(https://en-tomo.com/2020/02/05/kreis-quadrat-dreieck/)」
フランス語バージョンは「Cercle, Carré, Triangle (Learning & Education Livres d’images pour enfantsーABA Autism Education)(https://en-tomo.com/2020/02/05/cercle-carre-triangle/)」
スペイン語バージョンは「Círculo, cuadrado, triángulo(Aprendizaje y educación Libros ilustrados para niñosーABA Autismo Educación)(https://en-tomo.com/2020/02/05/circulo-cuadrado-triangulo/)」
イタリア語バージョンは「Cerchio, quadrato, triangolo(Libri illustrati per bambini e istruzioneーABA Educazione all’autismo)(https://en-tomo.com/2020/02/05/cerchio-quadrato-triangolo/)」
ヒンディー語バージョンは「गोल, चौकोर, त्रिकोण (सीखना और शिक्षा बच्चों की चित्र पुस्तकें-ABA ऑटिज्म शिक्षा)(https://x.gd/gvYTm)」
※ 以上のバージョンもほぼ同時期に出していますがワードプレス(今私がブログを書いているシステム)で「新着記事」に表示されて欲しくなかったため2020.2.5の日付でアップしました。基本的に本ブログでは現在、アップ日を操作したことはこれ以外はありません