本ブログページは行動の測定は期間を観察し比較して考えようというもの、そして「療育結果を親御様も自身で判断する」という少し重めのキーワードを扱ったタイトルで行なっていきます。
最初療育とは関係のない、少し一般的な話から入り、それからABA自閉症療育についても考えて行きましょう。
例えばあなたは家を買うとき「5千万円です」と言われたら感覚的に「5千万円は大金だな(高いな)」と感じませんか?
家はそのくらいの値段すると思っていても普段5千万円の買い物などはしないでしょうから、「高い金額だなぁ」と感じる方が多いと思います。
5千万円は普通、大金だよ
5千万円の家を金利なしで購入と考えたとしても(ローン組むなら金利なしはあり得ないけどね)、
35年ローン毎月返済だとしても(35年=420ヶ月かけて返済する)、「50,000,000円÷420ヶ月=だいたい119,048円」となり、
毎月12万円ほどを家のローンで返済することとなるでしょう。
これが一般的には(頭金を考慮しないとすれば)35年間続きます。
さらにローンの金利が乗ってくると返済額はもう少し大きくなることと、また返済が遅れると規約違反となり延滞金や最悪のケースでは物件が差し押さえられることもあるでしょう。
そのとき地価が暴落していれば目を当てられない結果になるかもしれません。
あなたはこのようなリスクを抱え35年でローンを組み返済していくのです。
家を買うことから、ABA自閉症療育での行動・データの見方を考える
「家を買う」ことについて、このようなネガティブな伝え方をされると、
とんでもない、なんてことを言うんだ・・・
とあなたは思ったかもしれません。
私自身は必ずしも持ち家を買うべきという考えを持っていませんが、
例えばABA自閉症療育で「新しく家を買ったので、次からはこの住所に来てください」とおっしゃってその現地に行くことがあります
そのようなときは素直に心から、「あぁ、良いなぁ」と思うことがあるのですが、家の購入は家族の団結力が上がったように見えることが多く、本当に素敵だなぁと思うことが多いです。
話を戻して、この「5千万円が高いか/安い(お得)か?」は1時点の値でしかないことは意識しましょう。
私はこの「1時点の値」という言葉は私はABA自閉症療育では重要と思っています。
家を買うときも使える見方かなと思いますが、私はABA自閉症療育でも1時点の値だけに注目をすることはあまりいたしません。
本ブログページはこのことがテーマです。
「持ち家が良いか?」、「賃貸が良いか?」というような社会問題のようなこの疑問から、ABA自閉症療育について考えて行きましょう。
ABA自閉症療育では例えばグラフデータを見たりするのですが、問題行動の対応をする際などはグラフデータの変動を見てから分析することが重要になります。
この見方は「価格」など変動のある値とも似ている部分があるのです。
さて、次の項ではこの5千万円の見方について考えていくこととしましょう。
ABA自閉症療育はデータからお子様の成長を見ることをベースとしますから、家の値段などもデータから見れば同じような解釈も可能となる、という内容です
お買い物が特か損かは前後のデータから考えよう
あなたは「5千万円」で家を購入することを決意しました。
買った家は中古物件のマンションとしましょう。
あなたは「家が欲しい」という目的を持っていましたが、それ以外のことを全く何も考えていなかったわけではなくて実はそのマンションの価格変動を追っていました。
私は「何も考えず家を買う」よりは、このような価格変動を考えて買うのも賢い考え方だと思います。
最悪ローンが返せなくなっても価格が上がっていれば、負債となることはありません。
なかなか買ったときよりも価格が上昇しない理由は、持ち家、マンションには「築年数」がありますから、基本的には築年数が増えて行けば資産価値が下がることが一般的だからです(実際に傷みも出てくるでしょう)。
しかし、あなたの買った物件は以下のイラストのようなデータ推移を見せていたとすればどうでしょうか?
あなたは不動産は基本的に築年数の影響で価格が下がることを知っていましたが、データからイラストのような上昇傾向に「買いたい物件」があり、資産価値が上がるだろうことを予測していました。
あなたは今後も資産価値は伸びていくだろうと考えます。
※ こう言うグラフはどっかでナイアガラの滝のように落ちてしまうのではないかと思って恐怖があるものですが・・・
きっと大丈夫、伸びて行く!
あなたは「今後も(資産価値が)伸びていくだろう」という自分なりの根拠も持っていました。
あなたは近隣の開発が進んでいるという情報をGETしていましたし、また5年後この地域で大規模で世界的なイベントが起こることも知っていて、そのような環境にある物件は値が上がるという過去のデータも持っていたのです。
そのため少なくとも今後5年以内にはこのマンションの価格は(少なくとも一旦は)上がると予想していました。
「5千万円」は確かに大金ですが、このような情報を持って買ったマンションの価格「5千万円」は、
本ブログページ冒頭5千万と聞いたときと比べ、「高い」と思わなくなったのではないでしょうか?
またこのような考え方をする人は、家の購入は「買い物」から将来的に回収できる「投資」へと見方が変わるかもしれません。
あなたのこのような見方は過去の情報(資産価値)と未来の情報(都市開発と大型イベント)を手にすることで可能となりました。
このような情報をもとに分析し、あなたはマンションを買ったとしましょう。
ではこのような考え方がABA自閉症療育でどのように活かせるでしょう?
ABA自閉症療育で「過去」から「未来」を考察(予測)する
例えばあなたのお子様が泣くことが多かったとしましょう。
1週間7日間、カウントしてみたところ「7日間で10回」泣いていることがわかりました。
データ収集は手間がかかり地味ですが、「泣いた/泣いてない」のカウントなので、そんなに難しいものではありません。
泣いた回数を記録していけば良いのです。
7日間に10回泣いたことを収集したものは立派なデータになります。
寝る前、今日お子様が何回泣いたかをメモ帳に頻度を記録するくらいのものです。
7日間に10回泣いたということがわかったとき、1日1回以上も泣いている計算になりますが「1週間に10回泣く」と今あなたは聞いて、「それは多い」と感じるでしょうか?
それとも「少ないな」と感じますか?
これは実は「家を5千万で買う」という事象と実は似ています。
「7日間で10回」泣いているが、「多い」のか「少ないのか」、実はあなた本人が置かれている状況に寄るというのが答えです。
そのことをしっかりと考えていきましょう。
感覚的に「多い/少ない」というのは人によると思いますが、実はこの「多いと思うか、少ないと思うか?」という問題に対して臨床的に意味のある回答をするためには、
それ以前の状況を見てみなければ本当の答えはわからないという答えになると思います。
例えば以下のイラストをみてください。
「1週間に10回泣く」という状況がこのように右肩上がりで増加している場合、
「泣く」という行動は必ずしもネガティブなものとは言えないとは思いますが、療育では一般的に「悪くなっている(泣くことが増えている)」という見方になると思います。
この場合の「1週間に10回泣く」は「多い」と感じるでしょう。
なぜなら過去と比較して徐々に増加してきているからです。
今後も増えていくと思ってしまうと思います。
このような経緯を辿っていた場合は日に日に泣くことが増えている自身のお子様を見て「良くなっている」とは思わないでしょうし、なんとかしたい(泣くことを減らしたい)と思う親御様がほとんどでしょう。
では、以下の場合はいかがでしょうか?
「1週間に10回泣く」という状況がこのように右肩下がりで減少している場合一般的には「良くなっている(泣くことが減っている)」という見方になると思います。
この場合の「1週間に10回泣く」は「少ない」と感じる可能性が高いでしょう。
「可能性が高い」と濁した理由については次のこの章のブログページで記載していきますが、今の状況を続けていっても何とかなりそうなように思います。
このように感じるのは「良くなっている(泣くことが減っている)」という見方になる理由としては、過去と比較して徐々に減少してきているからです。
※ 実際には1週間という短い期間で判断するのは危険ですがグラフの見方としてはこのように見てください
例えば介入中(何かしらの支援を実施した結果として)このような問題行動(必ずしも泣きは問題行動とはなりませんが)が減ってきていることが確認されたのならば、
その介入は「上手く行っている」可能性が高いので介入を続ける根拠になります。
「介入を続ける根拠になる」というのは非常に心強い言葉です。
これは今あなたが行っている療育の方向性が「正しい」という根拠となります。
「この療育は子供のためになっているかどうか?」という疑問への1つの回答です。
このような見方はあなた自身が「この療育が正しいのか(効果があるかどうか)どうか」の判断が可能になることになり、専門家が行うお子様への関わりが「意味があるかどうか」を自分自身で判断することができるということになります。
これは非常に心強い示唆です
あなたのお子様を社会はもちろんサポートしてくれますが、
最終的にはあなたが育てて行くのですからそのときそのときで判断していく必要もあるでしょう
実はABA自閉症療育でのお子様の療育指針を決めるとき、いや私はそれ以外のこともそうだと思いますがあなた自身の人生の中で判断し、決断しなければいけない場面が人生にはたくさんあるのです。
例えばあなたのお子様が現在5歳、お子様が成長し20歳になったときをイメージしてください。
これは私の偏見かもしれませんが、あなたが今お子様が幼児期のときに相談している専門家はほとんどがお子様の20歳のときの生活までは想像して療育を行っていないかもしれません。
※ 私自身の偏見であったらごめんなさい
幼児期の場合はあなたのお子様が現在5歳、お子様が成長し20歳になったときをイメージしたというより、もう少し短期的な時代をイメージしてアドバイスを送ってくださるでしょう。
私自身も幼児期のお子様を持つ親御様へは「小学校進学時のお子様にかかるプレッシャー」、「学校に行きたくないと思うことが最悪である」などのことを話すことが多いです。
しかしこれらは20歳になったときのお子さんのイメージではありませんね。
私個人も「いや20歳になったときにどうなっているか(時代背景の変化も含めて)わからないところもあるから、まずは直近の未来を考えよ」という姿勢もありますので専門家の方へも共感ができる部分となります。
「全ての専門家が」とまでは言いませんが、お子様が20歳になったとき「あなたか、専門家、どちらがお子様と関わりを持ち続けている可能性が高いですか?」と問われると多分、(結構な高い確率で)答えは「あなた」です。
しかしこれは「専門家は酷い。全く無責任。子どもの未来への情熱に手を抜いている」というわけではありません。
その専門家の先生は自身の都合で来年には退職されるかもしれません。
専門家も自分の家族、自分の人生を抱えているのです。
1人の人間なので個人的に色々な理由もあるでしょう。
もっと極端に言えば事故で死んでしまう可能性もありますし、親の介護などが絡んでくることもあるでしょう。
他に別の角度から言うとすれば、その専門家は「ヒトの人生全体の専門家ではなく、子ども年齢に対して特化した専門家である」という可能性も大いにあるでしょう。
子ども年齢に対しての専門家は思春期以降の知識が乏しければどうなるでしょう?
その専門はあなたのお子様を小さいときから見てくれていた専門家ですが、例えば「自閉症児、思春期が訪れたときの性活」などはかなり特殊な領域です。
例えばLorna Wing (1996)は自閉症児のほとんどのものは自慰行為のしかたを自分自身で見つけてしまうと述べています。
Lorna Wing (1996)はこのような行為は一人でいるときしかやってはいけないと教えることを述べているますが、あなたの専門家の先生は、思春期以降のこのような変化に対応できるでしょうか?
例えば「性の問題」は非常に難しく、私自身も今はっきりとした答えは持ち合わせていません。
性的な興奮を異性に覚え出したことについて、また自身で性的な興奮を処理する行動がで出したことについて「どうすれば良いの?」ということに答えの出ていないことも多いのが自閉症療育の難しいところだと思います。
「恋愛は?」「結婚は?」そして「この子が幸せになれる仕事は?」など、色々なことを考えることになるでしょう。
※ もし私を信じてくださるのでしたらこうしたら良いと思うとは伝えていますが、エビデンスという確固たる確証を得ていません
例えば「あなたのお子様はわたしの専門外の年齢となりましたので、他の機関を受診検討されるのはいかがでしょうか?」そのようなことを言われることは別に珍しくないかもしれません。
その専門家の判断は責任放棄ではなく自身の責任を全うした行動とも捉えることが可能です。
私もこのような判断が悪いとは個人的には決して思いませんし、その専門家はプロとしてそうしていると言えるでしょう。
専門家は「先生」と呼ばれる人で「自身の専門分野」を熟知する必要があり、無責任にその責任を負える範囲を超えたときはその責任を負えないこと(自分では充分ではない)とその委託先を紹介する(専門用語では「リファーする」)がマニュアル回答になります。
私たち心理士(師)はそのように教えられていますし、これは正しい行為と言える可能性が高いでしょう。
だから(私自身が思っていて、心理士(師)のマニュアルからはちょっと外れる回答かもしれないけれども)あなた自身が自覚しておくべきこととして、決定し、責任を取ることになるのは最終的には家族であるあなたである可能性が高いということです。
ではこれは「専門家の意見を無視して自身の思うようにやれ」という意見かと言えば、そうではないということも非常に重要なことが話をややこしくします。
そのとき関わっている専門家は一生懸命あなたの助けになるよう関わってくれるでしょう。
そのとき、役に立つ意見はあると思いますしその意見を無視することはもったいないかもしれません。
責任の所在で言えばこれはABA自閉症療育だけでなく他の業界でも同じです。
例えば私はITの専門家ではないもののこうしてブログを書いていますが、困ったときにITの専門家に相談しますね?
そのとき相談したITの専門家が言っていることが実は的外れで、アドバイス通り私自身が決定して行動し将来「あれ?失敗した」と私が感じた。
このとき責任を負うのは基本的には「私」なのです。
その理由付けは簡単で「下調べが足りなかったから?」、「その人がそう言ったから」いや、そうじゃなく社会は「そのときあなたが決断して自発的に依頼をした」という意思決定の責任を追求してくるでしょう。
だから私自身は専門家ではないあなたも少し「これは正しいか?」という視点を持つことが大切と思うのですが、どう思いますか?
話を戻してデータ推移として、以下の場合はいかがでしょう?
このグラフのように「1週間に10回泣く」という状況がこのように続いている状態で増加も減少もしていない場合、「泣き」を問題行動として親御様が捉えていた場合には「良くなっていない(変化がない)」という見方が基本になると思います。
介入をしてすぐに効果が出ない場合もありますから、「様子見」をするかどうかの判断材料は「他の事例」を参考とすることとなりこれは専門家の腕の見せ所です。
普通「1週間に10回泣くは多い」と感じたとしましょう。
その理由は一体なんなのでしょうか?
例えば「高校生が50mを走るのに20秒かかる」と言われれば「え?大丈夫?」と思うでしょう?
しかしこれが2歳児が「50mを走るのに20秒かかる」と言われれば「いや、関係ないでしょ。てかゴールまで走れてすごいね」という評価となるのです。
「ある年齢で特定のことができる」という見方が必要でしょう。
この違いは?同じ「50mを走るのに20秒かかる」という事実があるだけなのに。
達成年齢が違います。
例えば「周りのお子様と比べて(問題行動が)多い(ことが続いている)」ということで説明することも可能です。
このロジックに従えば、周りのお子様は1週間に10回もほとんどは平均して泣きません
だから「1週間に10回泣く」は「多い」と評価してしまうのです
以上のように「1週間に10回泣く」という事象を切り取ってシンプルに3つのパターンで比較しましたが、以前の状況によって「見方」が変わります。
これまでご紹介してきた3つのグラフパターンは、
(A) 「1週間に10回泣く」という状況が右肩上がりで増加している場合
(B) 「1週間に10回泣く」という状況が右肩下がりで減少している場合
(C) 「1週間に10回泣く」という状況が続いている状態で増加も減少もしていない場合
でしたが(B)パターンは状況が良い方向に推移しているので介入を継続する理由になるでしょう。
(A)パターン、(C)パターンは状況によりますがどのように今を分析するかは専門家の腕の見せ所、介入変更を考えるタイミングです。
これは私自身の偏見かもしれませんが、療育でお子様を一生懸命に良くしたいと思っている親御様も「自身が今行っている支援が(A)(B)(C)のどれにあたるか?」ということを把握していないことが多いように思います
文中書いてきたように最終的に責任(責任と書くと重く感じてしまうかもしれませんが)を負うのは親御様だとすると専門家と同じようにあなたも少し客観的なデータの見方をした方が良いのではないか?というのは私の意見です。
簡単にでも良いからお子様の成長をグラフにとってあなた自身が評価して納得していきましょうよ。
私は専門家側ですので、この意見は親御様に私自身が評価されることを推奨していることになるのですが、私自身はそれでも構いません。
また私は自身の療育をデータを取って効果を測ってもらって構わないと言うのは「私自身が、私の療育を受けている間、自分自身でもどうぞデータ取り評価をしてくださって構いません」と、そういうことが言いたいのではありません。
子育ての決定権はあなたが持っていることを早い段階で意識することが大切、という私自身の主張です。
最初は行政に相談をして「ここに電話をしてください」というところから始まったかもしれません。
そのような場合「あなた自身がお子様の教育(療育)方針を選択してきた」とはあまり感じないかもしれませんが、最初にこのような入り口で療育を選ぶんだときから実は「選択」は始まっていて、専門家が提供する「サービス」をあなたが決定し、それを「どう使うか」決めてきました。
あなたがお子様に不安を抱え初めて専門家に相談をしたその日から、実際は、最初から意識せずともあなたの選択は始まっていたのです。
あなたはそのとき「何が正しいか」という理論武装はもちろん持っていません。
最初なので、これは当たり前です。
だから学んで行く必要があると思います。
選択をして行く必要があるのです。
例えばAlan E. Kazdin (1983) はグループ比較研究もシングルケースデザイン(※これらは科学的研究手法の種類です)も、どちらも異なる条件下でのパフォーマンスを比較するため、論理は基本的に変わらないと述べました。
あなたのお子様が「良くなっている」か「悪くなっている」かは、実は現在と過去との比較によって答えが求められることが正確な見方だと私は思うのですが、いかがでしょうか?
最初に過去を知る(調べる)ことで未来の予測を立てもっと深く入れば、過去の変化をデータから分析すれば未来を少しはコントロールすることも可能になる可能性が上がります。
だからあなたの自閉症療育(私はABA自閉症療育をお勧めしていますが)そのように、納得のいく形を探してください。
どれくらいの期間で見れば良いか?(補足)
ここまで1週間の中で10回というスパンで「泣き」という行動を見る内容で紹介をしてきましたが、
例えば、
・ 先週と比較する
・ 1ヶ月を2つに分割(2週間ずつ)して比較する
・ 1ヶ月前と比較する
・ 3ヶ月単位で比較する
などターゲット行動ごとに必要な期間を考慮してデータを長期的に見て行くようにしましょう。
基本的には本ブログページで書いてきた1週間の間のデータだけで判断することはあまりしません。
少なくとも2週間くらいの期間を見て判断することをお勧めします。
さいごに
本ブログページでは「今時点でのお子様のパフォーマンスが良くなっている/悪くなっている」は実は「前のデータを見ないとわからないよ」ということをお伝えしたくて書いてきたブログページでした。
しかしそもそも私たちは「データを取る」ということも習慣化していません。
だってデータを取るのはめんどくさいからね
というかそもそもやり方もわからない、面倒臭い
このことについては過去のページで少し触れてきました。
例えば参考「ABA自閉症療育で行動を測定するときの心構えー私たちの記憶は結構曖昧(ABA自閉症療育での行動の見方9)(https://en-tomo.com/2021/09/24/behavior-view-attitude/)」のページです。
私個人が思うのは「データ収集」自体は「やっていけば上手く行く」ものだと思っています。
データ収集は向上していく技術です。
そもそも「データを集める目的」はなんでしたか?
この目的を忘れてはいけません。
本ブログページに沿って回答すればお子様の責任は最終的にはあなたが取ることとなるだろう、そして長い時間軸で見たときに過去アドバイスをくれた専門家と関係が切れているかもしれないことを考慮すれば、
あなた自身もその時期その時期でしっかり判断するタイミングを持ち使えるものを使い(例えばデータ)お子様の成長を考えて行く方が良いんじゃない?が大切という意見を述べたブログページです。
例えば最初慣れなければ、お子様のデータを付けるとなれば自身のこと以外のデータなのでまずはあなた自身のデータをつけてみることから始めてみるのも良いかもしれません。
それは例えば、
・ 1日に使った金額
・ 体重
・ 食べた野菜の品目
・ 歩いた距離
・ Twitterのフォロワーが増えた人数
・ 朝起きたときの気分(「すごく良い」「良い」「普通」「悪い」「すごく悪い」)
・ 飲んだお酒の量
・ 会社を「やめたい/続けたい」という評価を夜につける
・ 1日の中で嬉しかったことを2つ日記に書く
など「数値」でも「エピソード(文字での記述)」でも良い、何かしら付けてみてください。
データをつけると新しい発見が生まれることがあります。
今はアプリがもの凄く便利で私自身は例えば上記から「飲んだお酒の量」は記録しています。
簡単にできることだけど、何が難しいと言えば「継続すること」です。
しかしこの地道なデータ収集には意味があります。
あなたもちょっとした毎日の習慣に「データ収集」を組み入れてみてください。
少しだけかもしれませんが人生が違ったように見え、そしてそのような経験はABA自閉症療育にも還元されるはずです。
本章、次のブログページはこのような長い期間を比較してデータを見ることが適用しづらいパターンを複数ご紹介して行きましょう。
そのようなパターンも知り、ABA自閉症療育を行う上でデータを扱う習慣も少し意識していただけると嬉しいです。
【参考文献】
・ Alan E. Kazdin (1983) Single-Case Research Designs in Clinical Child Psychiatry. Journal of the American Academy of Child Psychiatry. No22, 5 p423-432
・ Lorna Wing (1996) THE AUTISTIC SPECTRUM A guide for parents professionals 【邦訳: 久保 鉱章・佐々木 正美・清水 康夫 (1998) 自閉症スペクトルー親と専門家のためのガイドブック 東京書籍株式会社】