このページではレスポンデント行動を引き起こすための方法の1つレスポンデント条件付けを解説していきます。
このページではレスポンデント行動が学習される、レスポンデント条件付けの基本ユニットを覚えていきましょう。
この章でレスポンデント条件付けを扱う際のテーマはI. P. Pavlovから始まったレスポンデント条件付けの研究が、自閉症含め発達に遅れのあるお子さんに対してもどのように関係していて、また治療に貢献をしているのかについてです。
ブログ内であまりマニアックな内容を扱ってもどうかと思うので療育の中で必要だろう範疇で解説したいと思っています。
この章で現在までにオペラントという言葉も出てきていますが、ABAの基礎としてまず「レスポンデント条件付け」についての解説からいきましょう。
個人的にレスポンデント条件付けの理論はオペラント条件付けと比べて難しい印象を持っています。
Jon・Baily & Mary・Burch (2006) はレスポンデント行動とオペラント行動について前者と後者の割合はおそらく1対20くらいの割合であると述べました。日常で使われる行動のほとんどはオペラント行動です。
実際に支援を行う中でも、大人へのカウンセリング支援ではレスポンデント行動を扱う場合が多いですが、お子さんへ療育支援を行う場合はオペラント行動を扱う場合が多いでしょう。
このブログは療育ブログですのでオペラント条件付けの理論から得られる知識・テクニックの方が多いです。
レスポンデント条件付けを知っていることも確かにABA療育で大切だと思いますが、読んでいて「う~ん」となった場合は飛ばして「オペラント条件付け」のページへ移動してもらって構いません。
レスポンデント条件づけの基本ユニット
レスポンデント条件付けの理論を創始したI. P. Pavlovという人はもともとは心理学分野の人ではありませんでした。
宮下 照子・免田 賢 (2007) は「ロシアの生理学者、I. P. Pavlovは消化腺の研究をイヌで行い、条件反射の現象を発見した。彼は1904年にノーベル賞を受賞しているが、その後の精力的研究で条件反射学を構築した」と述べています。
レスポンデント条件付けは「条件反射」の研究からはじまりました。
そのようにしてはじまったレスポンデント条件付けの研究ですが、まずは以下キーワードを5つを覚えましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・(US:unconditioned stimulus,無条件刺激):URを誘発する刺激
・(UR:unconditioned response,無条件反応):USによって勝手(自動的、自分の意思とは別に)に誘発される反応・行動
・(CS:conditioned stimulus,条件刺激):CRを誘発する刺激
・(CR:conditioned response,条件反応):CSによって勝手(自動的、自分の意思とは別に)に誘発される反応・行動
・中性刺激:特定の反応を引き起こさない刺激
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※ 急に難しそうですね(><)
(US)(UR)(CS)(CR)とか英語の略語が並べられてちょっと難しそうですよね?
覚え方なのですが、上2つの「US」と「UR」頭文字の「U」と「C」は英語の綴りの「unconditioned」と「conditioned」の頭文字の「U」と「C」を取っているだけの違いで、続く2文字目の「S」と「R」は「stimulus」と「response」の頭文字の「S」と「R」を取っているだけの違いです。
英語が出てくるとどうしても難しそうな印象が出てきます。
以下、それぞれ日本語にしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
unconditioned = 無条件
conditioned = 条件
stimulus = 刺激
response = 反応
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上記のキーワードは上の4つのキーワードの掛け合わせです。
「un」は「無」を表しますので「無条件」と「条件」は分かりやすいと思います。
「stimulus」と「response」はそもそも単語の意味が違います。
「stimulus = 刺激」「response = 反応」の意味は暗記しましょう。
この5つの単語についてなんとなく覚えて欲しいです。
次のページからは4つのユニットが登場してきますが、繰り返し、どのユニットがどの意味を持つのかも書いていきますので、もし覚えられなかったとしても読み進めてみてください
【参考文献】
・ Jon・Baily & Mary・Burch (2006) How to Think Like a behavior Analyst : Understanding the Science That Can Change Your Life 【邦訳: 澤 幸祐・松見純子 (2016) 行動分析的 ”思考法” 入門ー生活に変化をもたらす科学のススメー】 岩崎学術出版社
・ 宮下 照子・免田 賢 (2007) 親行動療法入門 ナカニシヤ出版