ABA:応用行動分析コラム60は「2025年最初の投稿!今年もよろしく!!ー2024年で1番再生されたリール」というタイトルで書いていきます
2025年のブログ投稿最初は「2024年で1番再生されたリール」について書いて行きたいと思います。
現時点で822再生これが多いのか、少ないのかは置いておいて、2024年で1番再生されたリールではあることは間違いないので、本リールで語った個人的に大切だと思うことをブログでも書いて行きましょう。
インスタグラムでは「お子様の問題行動」に焦点を当てて活動をしていることもあるので、「ABA療育」というよりは発信はかなりお子様の問題行動に偏っていますが、
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お子様の問題行動をちゃんと観察する
さて、このリールではお子様の問題行動を親御様が見ていて「なんでそんなことするんや」と思ったとき、
これは親御様から見てお子様の問題行動の理由がわからないとき、と読み替えても良いと思うのですが理由がわからないときどうしたら良いか?ということがテーマです。
私がリールで伝えたのは、「1回ちゃんと観察して欲しい」ということでした。
これは、「お子様の問題行動をちゃんと観察する」という意味です。
そして「観察」は目で見た観察結果を大切にし、そのときに「こう思う」とか、あまり思考や感情を挟まず客観的に行うことが大切である、と話しています。
今回、ブログのためリールよりも多くの情報量をお伝えできるのは嬉しいです。
例えば「思考や感情を挟まず」と言うのは、親御様もイライラしていて(感情がたかぶった状態で)、「この子は性格がイラダチちやすい(思考)ので、こうしている」というような「観察」はいけない、ということになります。
あくまで目で見た客観的な事実を観察結果として記述する。
そして「お子様の行動」と、その「前」と「あと」を記述することがポイントになります。
例えば目で見た客観的な事実を観察結果として記述するとは、
『お子様がお菓子が欲しいと言ったとき、私が「だめ」と伝えると、泣いた。そののち、私がお菓子をあげると泣きやんだ』というような記述です。
そしてそのような観察結果は1回ではいけません。
このこともとても大切です。
何度も何度も積み重ねる。
どのくらいの確率で同じ条件で問題行動が生じるのかを見ていかなければいけません。
私は少なくとも同じ条件で3ー5日観察結果を積み重ねて欲しいと述べているのですが、
これは「「ベースライン」とは何か?シングルケースデザイン(SCD)の基本(シングルケースデザインと機能分析2)(https://en-tomo.com/2022/06/17/what-is-a-baseline/)」にて書いた、
Ghaleb H. Alnahdi (2013) が最低3つは必要であると述べており、Michele A. Lobo・Mariola Moeyaert・Andrea Baraldi Cunha・Iryna Babik (2017) は少なくとも5つあることが望ましいと述べたことを参考にしています。
もし、問題行動の観察を積み重ね、同じ条件で問題行動が生じる確率が70パーセントくらいだったとしましょうか。
この場合、同じ条件で問題行動が生じる確率を測っている中で、
「問題行動が生じたとき」と「問題行動が生じなかったとき」の違いを分析しましょう。
私は「分析」とは「A」と「B」の「違い」があるかどうか、また「違い」を見つける作業だと考えています
もしこのときに「問題行動が生じたとき」と「問題行動が生じなかったとき」の違いが見つけられれば、それは介入方法(支援方法)を考えるときの強力な情報です。
例えば『お子様がお菓子が欲しいと言ったとき、私が「だめ」と伝えると、泣いた。そののち、私がお菓子をあげると泣きやんだ』ということに困っていたとして、
「問題行動が生じなかったとき」(つまり私が「だめ」と伝えても泣かなかった)とき、
その日はお子様の好きなカレーが夕食で、カレーの匂いが部屋に漂っていたから、だったとしましょう
そして自然に親御様も「もうすぐカレー食べられるからね」と意識せずにお子様に伝えていたことにも、「違い」を分析する中で気がつきました
もしそうであれば、カレー以外のお子様の好物でもお子様は「(好物を)もうすぐ食べられるからね」と伝えれば、『「だめ」と伝えても泣かなかった』という状況が作れるかもしれませんね?
だとすれば、お子様がお菓子が欲しいと言うだろうことを織り込んで、夕食にお子様の好物を1品は入れるようにしておき、
お子様がお菓子が欲しいと言ってきたとき「だめ」と伝えたのち「(好物を)もうすぐ食べられるからね」と伝えて泣かない状況を作り、
『すごい!母さんが「だめ」と言っても怒らなかったね』と言って抱っこしたりしてすごく褒めてあげるという「強化法による問題行動への介入(支援)方法」が考えられる、
ということになります。
お子様の問題行動の理由がわからないのはどうして困るのか?
そもそも「お子様の問題行動の理由がわからないのはどうして困るのか?」を考えてたことはあるでしょうか?
私の答えは、どうして困るかと言えばお子様の問題行動の理由がわからないと「介入方法(支援方法)がわからない」からです。
「介入方法(支援方法)がわからない」と自然に問題行動が消失することを願うことはできますが、こちらから能動的に動いて問題行動に対応することはできないでしょう。
「お子様の問題行動を観察する」、「理由を観察結果をもとに分析する」、それは何のため?
「「介入方法(支援方法)を考えるため」です。
「観察」も「分析」もどちらも大切ですが土台の「観察」が正しくないと、分析も正しくできません
さいごに
2025年の今年も頑張ってABA療育、しいては自閉症や発達障がい、発達凸凹のお子様の子育てを行ってらっしゃる親御様へ向けてブログやインスタグラムにて活動を行って行きますので、どうぞよろしくお願いいたします!
【参考文献】
・ Ghaleb H. Alnahdi (2013) Single-subject designs in special education: advantages and limitations. Journal of Research in Special Educational Needs
・ Michele A. Lobo・Mariola Moeyaert・Andrea Baraldi Cunha・Iryna Babik (2017) Single-Case Design, Analysis, and Quality Assessment for Intervention Research. Journal of Neurologic Physical Therapy. 41(3) p187–197