ABA:応用行動分析57は『落ち込んでると相手に対して態度が悪くなるー「からげんき」で対応するを実践してみた』というタイトルで書いていきます
例えば私はたまに人と関わっている最中に、落ち込んでしまうことがあります。
それは相手からあまりにも期待ができない答えが返った来たときに生じることが多いです。
そういうことがあると、その人と関わりが続いている最中そのまま盛り下がった気分が上がらず、その人に対しての態度が悪くなってしまうことがあります。
このとき、自分でも態度を悪くするのは良くないなと思いながらも「もう、良いか」と吹っ切った気持ちと、「あぁ、でも良くないよな」という気持ちが頭の中でグルグルと回り、考え込んでしまうことも多いです。
また、私は気持ちが落ち込んでいると、あまりプライベートで人に会いたくなくなる、という性質も持っています。
「プライベートで」と上で書いたように、特に仕事においてはそれはあまり感じず、そのため仕事に支障は無いのですが、
気持ちが落ち込んでいるとき、プライベートで「人に会いたい」という気持ちは小さくなり、どちらかといえば一人でボーッと考える時間を持つことを好みます。
私は対人援助職をしているので人と会う機会が多いです。
落ち込んでいるとき、仕事上でも人と会うと元気になることも多いので、どうしてプライベートでは落ち込んでいるときにあまり人と会いたくなくなるのかは自分でも少し不思議に思っています。
仕事上でも人と会うと元気になることも多いのだから、落ち込んでいるとき、積極的に人ともっと会うようにしても良いのに。
上で書いたように、私は相手からあまりにも期待ができない答えが返った来たときに生じる、この、その人と関わりが続いている最中に盛り下がる気分と態度の悪さ、
自分でも良くないなと思いながらも考え込んでしまうことが多かったのですが、
今年の夏頃にあったエピソードをきっかけとして、最初エンジンをかけるように「からげんき」で元気に無理して振る舞うことを覚えました。
すると、「もう、でも良いか」と言った吹っ切った気持ちと、「あぁ、でも良くないよな」という気持ちの狭間で頭の中がグルグルと回っていた気持ちが意外にスッキリすることもあり、
私自身が今まで以上、楽になれることを感じたため、今回ブログで書いていきたいと思います。
私に生じたエピソード
2024年の夏、地元の友達が私の家に泊まりに来ました。
私は小中高と関西で過ごし、大学から関西を離れ、現在はほとんど東京都で生活をしています。
このとき泊まりに来たのは中学校のころの友達でした。
なかなか地元に帰れる機会は少ないですが、40歳手前となった今も関係が続いているのは幸せなことです
友達は中学でラグビー部、高校でもラグビーを続けキャプテンを務め、大学はラグビーの推薦で進学していました。
ゴリゴリの体育会系の男性です。
今は営業の職についています。
この人はこれまでも何度か泊まりにきたことはありました。
友達が泊まりに来るこのタイミング、私はプライベートなことで落ち込んでいました。
上でも書いたように私は気持ちが落ち込んでいると、あまりプライベートで人に会いたくなくなる、という性質を持っています。
「人に会いたい」という気持ちが小さくなり、どちらかといえば一人でボーッと考える時間を持つことを好みます。
泊まりに来る約束自体はもう前から取り付けていましたので、私自身は少し気乗りしないところもありましたが、まぁその日、友達は予定通り泊まりにきました。
友達は新幹線に乗って東京に来て、新橋で彼の東京の知り合いとお酒を飲んだのちに私の家に来ることになったので、私の家に友達が着いた時間は24:40くらいでした。
友達からは「終電で行くわー」や「今、最寄り駅ついたわー」等の連絡ももらっていたので、「そろそろ着く時間やなー」と思って、私は友達のことを部屋で待っていました。
24:40、ピンポーンとインターホンの音が鳴り、私は鍵を開けて、友達を迎えました。
このときも正直私はまだ乗り気ではありませんでした・・・・・・が、このときの友達の表情が忘れられません。
上のイラストで上手く表現できているかどうかわからないですが、上のような表情で「よっ」と言って玄関のドアを開けて部屋に入って来て、「へへへへ、今日さー、新橋でさー」と楽しそうに話し出しました。
「こいつほんま楽しそうやな(笑)」と思い、そののちその人と話をして行く中で気持ちが明るくなって行ったことを覚えています。
このとき、
無理しても明るい態度で接することを続けて行くと、気持ちもあとから態度についてきて、明るい気持ちになるのかもしれない
と思いました。
その日、「からげんき」に対応してみた
「からげんき」でも自分の態度を変えてみようと思いました。
「からげんき」とはGoo辞書(2024.8.11閲覧)によれば、
うわべだけ元気よく見せること。また、見せかけの元気
です。
私も「からげんき」の言葉の意味は今回ブログを書くにあたり初めて調べたのですがまぁイメージ通りといったところ
上で書いた「よっ」と言って玄関のドアを開けて部屋に入って来た友達は本当に元気だったので「からげんき」ではありません。
そのとき、「からげんき」だったのは私の方です。
「よっ」と言って玄関のドアを開けて部屋に入って来て「へへへへ、今日さー、新橋でさー」と楽しそうに話し出した彼、「こいつほんま楽しそうやな(笑)」、
そのとき私の気持ちも明るくなったのは確かですが、
明らかにテンションの差があったのも事実で、私は最初「からげんき」、楽しそうに振る舞いました。
久しぶりに泊まりに来た彼、せっかく楽しみに東京に来ているのだから、私が暗い感じだとなんだかそれも申し訳ないな、最初はそういった動機ーーーーー・・。
ただ不思議なもので、途中から私自身も本当に元気になっていって、気持ちも晴れやかになっていきました。
大河内 浩人 (2007) は行動分析という学問をあえて一言で表すことを試みるのならばそれは「個体と環境との相互作用を明らかにする学問」だと述べましたが、
私たちは互いに作用し合い(相互作用)、影響を与え合っています。
※ 行動分析を応用した学問が「応用行動分析(Applied Behavior Analysis:ABA)」、つまり本ブログで扱っているABAです
もし私が暗い感じだったら彼も気を使い、暗い感じで「どしたん?大丈夫?」となったかもしれません。
それはそれで、真剣に悩みを聞いてもらう時間も大切かもしれないので魅力的なのですが、
今回私が「からげんき」で対応したことによって元気なままの彼が維持され、
私も彼の元気な気持ちに吸収されて、元気になっていった、そういった体験をしました。
「からげんき」でも自分の態度を変えることを行ってみた
上でも書きましたが私は落ち込んでいるときにそのまま気分が上がらず、態度が悪くなってしまうことがあり、
このとき、態度が悪くなった原因の人と一緒にいるとき、自分でも態度を悪くするのは良くないなと思いながらも、
「もう、でも良いか」と言った吹っ切った気持ちと、「あぁ、でも良くないよな」という気持ちの狭間で頭の中がグルグルと回ってしまい、態度がその日に回復しないことが多く
自分としてはそういう一面に悩んでいることがありました。
私は泊まりに来た彼とのエピソードに一筋の光を見出したのです。
例え、態度が悪くなった原因の人と一緒にいるときでも一旦、「からげんき」でもう一度エンジンを掛け直すイメージで態度だけでも明るく振る舞おう、と考えるようになり、今実践することもあります。
態度が悪くなった原因の人と一緒にいるとき、自分でも態度を悪くするのは良くないなと思いながらも、態度がその日に回復しないのは、以前から正直もったいないなと思っていました。
それはその日を気持ちよく過ごせないし、なんとなく1日、もったいない使い方をしてしまったと感じるし、自分自身もそういった1日を過ごしたくないからです。
実際に「からげんき」でもう一度エンジンを掛け直すイメージで態度だけでも明るく振る舞おうとすることを実践してみても、上手くできないときもあります(笑)。
顔が笑ってないように見えることがある、態度にはやっぱり出てしまっているとか、でも、「からげんき」、「からげんき」!
そのまま悪い態度を1日続けていても時間がもったいない!
だから「からげんき」で態度を作ってみる!
顔が笑ってないように見えることがあったり、態度には出ている時間帯もあるものの、「からげんき」で態度を作ってみると、態度が悪くない時間帯もできて来て、個人的に良い成果をもたらしてくれていると感じています。
そして、別にめちゃくちゃ上手く「からげんき」ができてなくても良いのかもしれません。
向こうからすれば「あぁ、この人、今、私と上手くやりたいんだな」と感じてくれている、そんなふうに思ってくれる可能性もあるでしょう。
「からげんき」を行わない場合、私自身の態度も悪いままです。
すると、相手の態度もどんどんと暗くなって行きます。
すると私の態度もどんどんと悪くなって・・・
これでは悪循環です。
「からげんき」を行うことは、少なくともこの悪循環を抜け出す可能性を秘めていると考えてます
『「からげんき」に振る舞う!』対応は、落ち込んだ・態度が悪くなった原因や相手にもよると思いますので、常に「それが正解か?」と言われると個人的にも疑問ではありますが、
少なくともその瞬間、今後もその相手と関係性を続けていきたいないと感じる相手に対しては使用することも良いかな、と、
今はそれくらいのテンションでこの『「からげんき」で!』という対応を使用するスタンスです。
さいごに
私は、たまに人と関わっている中で落ち込み、そのまま気分が上がらず、態度が悪くなってしまうことがあります。
このとき、態度が悪くなった原因の人と一緒にいるとき、自分でも態度を悪くするのは良くないなと思いながらも、
「もう、良いか」と言った吹っ切った気持ちと、「あぁ、でも良くないよな」という気持ちの狭間で頭の中がグルグルと回ってしまい、態度がその日に回復しないことが多く、そのことに悩んでいることがありました。
そのような日は1日がもったいないです
ただ本ブログページで書いたように地元の友達が泊まりに来て「よっ」と楽しそうに私の部屋に入って来た日の経験から、
無理しても明るい態度で接することを続けて行くと、気持ちもあとから態度についてきて、明るい気持ちになるのかもしれない
と思いました。
そこから私は「からげんき」を使うよう意識します。
「からげんき」を行わない場合、私自身の態度も悪いままです。
すると、相手の態度もどんどんと暗くなって行きます。
すると私の態度もどんどんと悪くなって・・・
これは悪循環です。
「からげんき」を行うことは、少なくともこの悪循環を抜け出す可能性を秘めていると考えるようになりました。
これからも継続して続けて行くものかどうかは分かりませんが、今の自分にとってはいい感じです。
今回、私の中では結構大きな経験だったので、せっかくだからブログに書いて文章にまとめようと思い、本ブログページを書きました。
もし同じようなことに悩んでいる人がいましたら、一度「からげんき」やってみてはいかがでしょうか?
【参考文献】
・ Goo辞書 (2024.8.11閲覧) https://x.gd/3CKCd
・ 大河内 浩人 (2007) 「大河内 浩人・武藤 崇 編著 行動分析 ミネルヴァ図書 p1-12」