本ブログページではABA自閉症療育で私が意識していること、
「社会的スキルを実行させるとき、自分と相手(もしくは教える側)のイメージをマッチングさせた上で行ってもらう」ということをABA自閉症療育のテクニックとして書いて行きます。
最初に社会的スキルとはなんでしょうか?
社会的スキルについて小林 正幸・宮前 義和 (2007) は、
人はさまざまな人間関係の中で生きており、人間関係を軽々とこなし、良好な関係を結び、人間関係の何の問題も感じないときにはどの人間関係に関する具体的なコツや技術を使いこなしているといえ、
このような「良好な人間関係をつくり、保つための知識と具体的な技術やコツ」を「ソーシャルスキル」と呼ぶ
と述べています。
また小林 正幸他 (2007) によれば「ソーシャル」とは、「社会的な」「人付き合い」「人間関係上の」「対人的な」を意味するとのことです。
ABA自閉症療育では小林 正幸他 (2007) が述べたような対人関係上相手と良好な関係を形成するためのスキルを教えることがあります。
社会的スキルを教えることは、さまざまな発達段階のお子様に必要なことです。
例えば無発語のお子様が癇癪を起こすことで親御様からスマートフォンを要求していたとしましょう。
お子様は親御様のスマートフォンでYoutubeを見ることが好きです。
このとき、例えば癇癪ではなくジェスチャーでスマートフォンを貸して欲しいと要求する、これも社会的スキルと言えます。
※ 無発語のお子様でもスマートフォンを操作してYoutubeを観る行動を行うことを目の当たりにすることがありますが、お子様が興味を持っている領域に対しての学習の進み具合はものすごいです。私以上にYoutubeを使いこなしている無発語のお子様も目にしたことがあります
私がお子様にスキル実行してもらうとき、私自身が意識しているのは「自分と相手のイメージをマッチングさせる」ことです。
最初、お子様はどうやって社会的スキルを獲得し実行して行くのか、1つのルートを見て行きましょう。
その次に「自分と相手のイメージをマッチングさせる」ことについてご紹介して行きます。
お子様はどうやって社会的スキルを獲得し実行するのか?
以下出てくるお母様のお子様、名前を「たろうくん」とします。
例えば社会的スキルを実行させたいとき、お母様がたろうくんに「お友達とは仲良くしなければいけない」と伝えたとしましょう。
たろうくんは「わかった」と言って、頭の中で周囲のお友達が行っているお子様なりの仲良くのイメージを巡らし、想像しています。
そうして考えている様子を見せるたろうくんに対して、お母様は「明日から頑張っていこうね」とスキルの実行を促しました。
次の日、たろうくんから「今日、たいちくんに自分の使っていたおもちゃを貸してあげた」というエピソードがお母様に伝えられました。
お母様はたろうくんに対して「なんて優しいの!その調子でお友達と仲良くしていこうね」と声をかけ、お友達と仲良くする行動を強める声かけを行っています。
ある日、たろうくんは「二郎くんが花子ちゃんのおもちゃを取ったから、ぶって取り返してあげた。花子ちゃん、喜んでたよ」と言うかもしれません。
ここは家庭の教育方針もあるかもしれませんが、そのときお母様は「それはお友達と仲良くすることとは違うよ。そういうときは先生に相談しようね」と言ったとします。
するとたろうくんは「あぁこれは友達と仲良くするとは違うのか」と考え、次に同じ場面があったときは別の行動(例えば先生に相談)を行うようになる可能性があるでしょう。
以上のエピソードは一般的ですね。
そのような日々を過ごす中でなんとなくたろうくんは「お友達と仲良くする」という行動が何かを形成して行き(ABAの用語では「反応クラス」の形成)ます。
このような『「お友達と仲良くする」という行動』のかたまりをなんとなくの日々の中で学習し、行動が修正されて行くのですが、
生活の中で「観察学習」や「先生からのルール提示」、「直接お友達から自分がされて体験した経験」など、さまざまな要因が絡み合い形成されて行くものでしょう。
そのようにしてたろうくんは「お友達と仲良くする行動」と「お友達と仲良くできない行動」とを区別(ABAの用語では「弁別」)し、学習して正しい行動を形成して行くことになります。
このようにだんだんと適切にスキルを実行できるようになって行くのです。
このとき、お母様が最初に「お友達とは仲良くしなければいけない」と伝えたとき、お母様とたろうくんがお互いに持っていた「お友達とは仲良くする」というイメージは完全には一致していなかったことも覚えておいてください。
例えばたろうくんは「二郎くんが花子ちゃんのおもちゃを取ったから、ぶって取り返してあげる」という行動を起こしました。
これはたろうくんの中では「お友達とは仲良くする」行動でしたが、お母様からすれば違ったわけです
そして上のエピソードのように日々を過ごす中でなんとなくスキルが形成されていけば良いのですが、
あなたのお子様が対人スキルがあまり得意でなかった場合、お母様の行った「お友達とは仲良くしなければいけない」と伝えるだけでは適切な対人スキルの促進には不十分な可能性があるでしょう。
その場合、例えば「SST(社会的スキル訓練、ソーシャルスキルトレーニング):Social Skills Training」などを行い、積極的な対人スキルの練習をして行くことが賢明です。
SSTでは社会的スキルを教え、教えた社会的スキルは実際にお子様の生活場面で実行してもらうことになるでしょう。
※ SSTの具体的な手続きについては本ブログの検索窓に「SST」と入れると関連ページが出てきますので、気になる方はどうぞ
以下、私が行っている社会的スキルをお子様に実行してもらうときのコツ、「自分と相手のイメージをマッチングさせる」について書いて行きます。
以下の内容は「教える → 実行」ではなく「実行 → (上手く実行できるように)教える」という順序で行なっているSSTです。
社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージのマッチングを行う
たろうくんのお母様はたろうくんにもっとお友達と仲良くなって欲しいと思っていました。
例えば私が療育をしていて「おっけい!じゃあ明日、たろうくん、お友達にお昼休みに一緒に遊ぶように誘いかけられる?」と聞いたとします。
たろうくんは「うん!やってみる」と答えてくれました。
ここまで療育中にたろうくんと話し合い、たろうくんの中にあるお友達と仲良くなりたいという動機付けを引き出し、たろうくんが「やってみる」とお約束をしてくれたとしましょう。
このまま「じゃあ、次に会ったとき、上手くできたかどうか先生に教えてね」と言って終了しても良いですが、私は一応、保険を打ちます。
ブログタイトルにある「社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージをマッチングさせた上で行ってもらう」ことはスキルの実行を失敗させないための保険になるのです。
一旦立ち止まって想像をしてみてください
一度、あなたの思う「お友達にお昼休みに一緒に遊ぶように誘いかける」場面を頭の中でイメージして欲しいです。
あなたが頭の中で想像したイメージと私が頭の中で想像しているイメージはどの程度重なっているでしょうか?どれくらい同じイメージを共有できているでしょうか?
イメージできましたか?
今、あなたは1人のお友達に話しかけることをイメージしましたか?
それとも集団のお友達に話しかけることをイメージしましたか?
校庭にいるお友達に話しかけることをイメージしましたか?
もしくは教室にいるお友達に話しかけることをイメージしましたか?
「ねーねー」と話しかけることをイメージしましたか?
「何してんの?」と話しかけることをイメージしましたか?
話しかけるときは相手の正面に立って話しかけることをイメージしましたか?
歩いて近づきながら、歩いている途中に話しかけることをイメージしましたか?
一いかがでしたか?
多分、あなたが頭の中で想像したイメージと私が頭の中で想像しているイメージは少なくとも少しは(もしかすると大きく)違いがあるはずです。
これは私とたろうくんの頭の中で想像したイメージもずれている可能性がある、とも言い換えられるでしょう?
以下、たろうくんと私の仮想ケースの続きを見て行きましょう。
私は「じゃあ、1回先生がお友達役やるから、どうやって一緒に遊ぶように誘いかけるかやってみて」とロールプレイに持って行きます。
このとき、たろうくんはもしかすると教室にいる1人のお友達に対して誘いかけることを考えていたかもしれません。
そうであれば例えば私がロールプレイで「今、外にいて、ドッチボールをしているお友達だとして誘いかけて」と言って役割を演じ出すと、「え?」というリアクションを見せることもあるでしょう。
たろうくんは教室にいる1人のお友達に対して誘いかけることをイメージしていましたが、私は外でドッチボールをしているグループに話しかけることを「お友達にお昼休みに一緒に遊ぶように誘いかける」と想定していたことになります。
このように私とたろうくんの頭の中で想像したイメージがずれている場合、
私が「おっけい!じゃあ明日、たろうくん、お友達にお昼休みに一緒に遊ぶように誘いかけられる?」と聞いて、「うん!やってみる」と答えてくれたたろうくんですが、
実際はやって欲しいこと/やろうとしていることが違った可能性があるのです。
話を進めて、「え?」というリアクションがあれば、たろうくんに対して、
「あ、思っていたんと違ったか。どういったシチュエーションで話しかけるのが楽とかある?」などと聞いて行きましょう。
聞き方は5W1Hで整理して行きます。
私:どこにいる友達に話しかける?(どこ)
た:教室
私:何人かいても良い?あと、誰やったら話しかけやすいとかある?(だれ)
た:じろうくんだったら話しかけやすい
私:どうして?(なぜ)
た:一人で本読んでるから
私:OK!んじゃ、じろうくんが一人で本読んでるときに話しかける?(いつ)
た:うん
私:わかった。んじゃそのシチュエーションでやってみよう!
その設定でロールプレイを再開したとしましょう。
すると、たろうくんから教室で一人で本読んでるじろうくんの役割をしている私に対して、
た:昨日の「マジモン(架空のTVアニメ)」面白かったね
私:・・・
上のような突然の話しかけがありました。
一旦ここでロールプレイを止めます
私は「たろうくん、じろうくんはマジモンを見てないかもせんよ」とアドバイスを送るでしょう。
マジモンを見ていなかった場合はじろうくんも困ってしまい、結果、たろうくんのスキルの実行は失敗(上手くやりとりができない)してしまうかもしれません。
ですので、再検討します。
もう一度二人でアイディアを出し合い、たろうくんはじろうくんに「その本面白い?」と聞くことにしました。
これは「どのように話しかけるか」を決めたことになります。
またもしロールプレイの中で緊張して固まった顔で話しかけていた場合、少し顔の筋肉を緩めるようなことをアドバイスすることも良いでしょう。
このようにして5W1Hの「どのように」も整えて行きます。
SSTのスキルを実施する現場でどのようにするかをより具体的にして行く作業ですね
実際には「その本面白い?」と聞いたあとに会話を続けて行くスキルが必要であったり、例えば聞こえてなくて返答がなかったパターンなど、練習することはいくつもあるのですが、
ここまで見てきたように私とたろうくんの頭の中で想像しているイメージを一致させて行く作業が大切です。
これが社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージのマッチングを行うという作業になります。
このようにスキルのイメージをすり合わせることでお子様がスキルを実行したときに発生する可能性がある療育者側の予期していない失敗リスクを軽減することができることは大きいです。
SSTで練習をし、実行するようお約束をして、現実場面でスキルを実行したとき、お子様が失敗することは状況が悪くなってしまうことがあります。
例えばあなたがお子様だったとき「先生、こうすれば上手く行くって言っていたけど話し違うじゃんよ!」と思うかもしれませんね?
お子様のスキル使用を促進したい場合、スキルを使用して成功したという成功体験が必要になります。
「スキル使って」とお約束をしても実際にスキルを実行して失敗する経験があれば(もしくは繰り返せば)、お子様がスキルを使用しなくなって行くことは目に見えているでしょう。
上でも書きましたが、このように社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージをマッチングさせた上で行ってもらうことはスキルの実行を失敗させないための保険になるのです。
以下、他に意識するべき点についても書いて行きます。
スキルの「強さ」のイメージをマッチングさせる
社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージのマッチングを行うときスキルの「強さ」も意識しましょう。
ある先生が「質問がある人」と言ったとき挙手をして発言を求めることを考えてみてください。
その挙手は机から5センチほど上げた掌の高さでは成立しません。
例えば少なくとも耳の横あたりに掌が来るくらいには手を上げる必要があるでしょう?
でも鼻の辺りまで掌を上げた場合は先生は当ててくれないかと言えば、先生によっては当ててくれる可能性もあります。
しかし、もしかすると先生によっては当ててくれるかもしれませんが、それは前列に座っている生徒に対してであって、
最後列に近い生徒が鼻の辺りまで掌を上げた場合は先生は気がつかないために成立しない、という「上げる掌の高さ」以外の要因も関連してくる可能性もあるかもしれません。
このようなことがあるため実行してもらうスキルを教えるときは「強さ」も考慮します。
「強さ」を考慮しスキルを実行した際、成功する汎用性を高めて行きましょう。
ある程度の人に対して機能する汎用性を持つ強さでスキルを設定するのです。
例えば上の例で言えば10人先生がいれば10人の先生が納得するよう、可能であればヒジが耳の横あたりに来るくらいまでに頑張って強くピンと手を伸ばして挙手した方が無難でしょう。
しかし「強さ」を考えるとき、上の例のように行動を大きくすれば汎用性が高まるかと言えばそうでもありません
例えば「おはよう」というあいさつ。
叫ぶほどの声の大きさで「おはよう」というと、門の前に立っている校長先生は褒めてくれるかもしれませんが、引いてしまう人も出てくるでしょう。
正しくは「校長先生には大きな声で」、「他の人には適切な音量で」という弁別が必要になってくるのですが、行動を強くすれば汎用性が高まるかと言えばそうでもない例の1つだと思います。
先に出した例でたろうくんがじろうくんに話しかける例でも、
叫びながら「その本面白い?」と言ってしまったり、あまりにも小さな声で「その本面白い?」と言ってしまったらきっと上手く行かないでしょう
社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージのマッチングを行う場合、上のようなスキルの強さの程度も意識するようにしてください。
両親が持つイメージのマッチング
別の角度からは、お母様とお父様が協力して療育を行う場合、お子様の実行するスキルについてお母様とお父様のイメージがマッチングしていることも重要です。
例えばお母様もお父様もお子様の「切り替えの悪さ」を心配していました。
お互い「子どもがもっと切り替えができるように」と考えていたとします。
「切り替えの悪さ」が治って欲しいとは「切り替えが上手くなって欲しい」ということなのですが、
「切り替えが上手くなる」というイメージはお母様とお父様でマッチングするでしょうか?
例えば遊びの活動を行なっているときにお風呂に入ってと指示を出すと癇癪を起こすお子様がいて、この切り替えが上手くなって欲しいと両親ともに思っていたとしましょう。
・ お母様は「泣いたままでもいいから、とりあえず脱衣所に自分から移動して欲しい」と思っているかもしれません
・ お父様は「とりあえず泣かずにどうしたいか意見を主張できるようになって欲しい」と思っているかもしれません
お母様やお父様が望んでいる行動変化はどちらむ「今よりも切替の場面で上手くやる」という点では一致しています。
しかしお母様もお父様の持っている達成イメージが実は違うことに注意しましょう。
お母様もお父様の持っている達成イメージが違うため、介入方法が変わってきます。
このようなことがあるとABA自閉症療育はあまり上手く行かないことが多いです。
ですので、
お母様とお父様が協力して療育を行う場合はお子様へ実行して欲しいスキルについてお母様とお父様のイメージをマッチングさせ、具体的な療育目標を立てるようにしましょう。
ここまで書いてきましたが、社会的スキルを実行させるとき、自分と相手のイメージをマッチングさせた上で行ってもらう作業とは、
自分と相手がイメージしているだろう画的な映像(動画でもOK)がどの程度一致しているか?
です。
少し分かりにくいかもしれませんが、
「なるほど、そのときあなたはどこにいるの?」
「え?それはいつ言うの?」
など5W1Hで話を詰めて行ってお互いが共有する画的なイメージを作って行きましょう。
画的なイメージとは1枚の動画や写真の画を頭の中で共有するイメージです。
言語的なやりとりや、ときにはイラストなどで描いたりして画的なイメージの共有を深めて行きます。
言語的な内容の共有だけで止まるのではなく画的なイメージとして共有できるくらいまでに昇華し、お互いのこれから行おうとしている行動の一致率を高めて行くことを意識してみてください。
これが私が意識している、お子様へ社会的スキルを実行させるとき、お子様のスキル使用を失敗する確率を下げたり、教えるときの介入方略のブレが少なくなったりする方法です。
さいごに
本ブログの最初の方でも書きましたが、社会的スキルを教えることはお子様の能力に依存しません。
例えば無発語のお子様に社会的スキルを教えることも多々あるでしょう。
ざっくり言えば対人関係上必要となるスキルは社会的スキルと呼べてしまうため、
「ものを要求する」、「来てと要求する」、「共感を求める」、「アイコンタクト」などさまざまなスキルが社会的スキルに含まれます。
本ブログページでは社会的スキルを教えるとき、教える側と教わる側のイメージをマッチングさせることについて書いてきましたが、
無発語のお子様などでお子様と療育者側でのイメージのマッチングが難しい場合、本ブログページでも書いてきたように教える側が共通のイメージをマッチングできていることが大切です。
例えばまだ発語の少ないのお子様に「貸して」という社会的スキルをお母様、お父様が教えているとしましょう。
お母様は「かーて(貸してに近い音)」が出たときにものを貸しています。
しかしお父様は「あっ」というもっと「貸して」から遠い音でもものを貸していました。
このようなことがあるとスキルの促進には良い影響とは言えません。
どのようにしてイメージのマッチングを促進していけば良いかと言えば、例えば本編では5W1Hでスキルをまとめて行くことを書きましたが、
宮下 照子・免田 賢 (2007) は行動観察のポイントを以下のように紹介しました。
(1) 何を観察するのかあらかじめ決めておく
(2) 観察する状況や時間を決めておく
(3) 行動を5W1Hで言い表せるように観察する
以上は行動観察についての記述ではありますが、イメージをマッチングさせるときにも役に立つでしょう。
上では5W1H以外にも「何を観察するのかあらかじめ決めておく」ことや「観察する状況や時間を決めておく」ことというテーマがあります。
「何を観察するのかあらかじめ決めておく」こととは「今、イメージをマッチングさせている行動は何かをあらかじめ決めた上でイメージのマッチングを行う」と言い換えられ、このことも大切でしょう。
このことを行うためには行動を正しく定義できる必要があります。
例えば有効な定義の方法の1つは例えば「死人テスト」を通過する定義です。
「死人テスト」については『死人テスト・行動の過剰と不足(ABA自閉症療育での行動の見方2)
(https://en-tomo.com/2020/06/29/behavior-view-base/)』をご覧ください。
「観察する状況や時間を決めておく」ことについても大切です。
以上の文章は複数の意味合いがあると思いますが、1つは「いつ生じるターゲット行動」かを決めておくことは有効でしょう。
例えば「貸して」という社会的スキルを教えるとき、あえて「お子様が欲しいものが目の前にあるとき」というように「貸してを発動する条件」も含めて定義しておきます。
これは使用する社会的スキルが何であれ、行っておいた方が良いです。
本ブログページでは「社会的スキルを実行させるとき、自分と相手(もしくは教える側)のイメージをマッチングさせた上で行ってもらう」ということをテーマに書いてきました。
社会的スキル、何かお子様にスキルを教えるときに是非、意識をしてみてください。
【参考文献】
・ 【編著】小林 正幸・宮前 義和 (2007) 子どもの大人スキルサポートガイド 感情表現を豊かにするSST 金剛出版
・ 宮下 照子・免田 賢 (2007) 新行動療法入門 ナカニシヤ出版