新章「ABA自閉症療育をご家庭でやろう」です。
2024年の年始、友達から「サイト、ちょっと専門的すぎるんちゃうか?」と指摘を受けました
「ご家庭でABA自閉症療育をやってみたい」という「親御様向けのページを作ろう!」という趣旨の章です
ブログ内で書いていますが私は基本的にABA自閉症療育を家庭で行うことを推奨している人です。
そのためこの内容のブログ記事を作成して行くことは必須の内容だったかもしれません。
1発目は「お勉強を行う環境やアイテムを整える」、新章のタイトル「ABA自閉症療育をご家庭でやろう」とあるように、ABA自閉症療育が実際に家でできるように書いていきたいと思います。
まずは「何か準備しえたらええの?」というところから!
本章は読みやすさを求め、あまり長くならないように意識します。
椅子や机は必要?部屋の作りは?
椅子と机
まずは椅子からですが、椅子はお子様の足の裏が床につく高さで宙ぶらりんにならないように。
低すぎても微妙です。
下のイラストのようにひざ部分ができるだけまっすぐになる高さにします。
机は椅子の高さに合わせて考えましょう。
上のイラストのように腕を垂直に垂らしてひじを曲げたとき、ひじが90度に曲がるくらいのサイズが良いと思います。
お子様はすぐに大きくなってしまうので少し大きめのものを事前に買う場合、上のイラストにあるような箱(イラストでは緑のもの)を椅子の下に敷いて高さのサイズ調整しましょう。
これは雑誌や新聞紙などを紙で包み、ガムテープなどで巻いたものでも良いですが、柔らかくなく硬くする方が良いと思います。
机の方はサイズが変えにくいです。
あまり高価なものは購入しなくても大丈夫だと思いますので椅子のサイズに合わせて購入してみてください。
部屋の作り
次は部屋の作りです。
可能であれば物があまりごちゃごちゃと置いていない部屋の方が良いでしょう。
例えば視界にいつも見ているテレビや遊んでいるゲームが入ると気が散ることもあります。
般化と言って、覚えたことを色々なところで試す場合は良いですが、もし可能であれば「お勉強する部屋」は普段リラックスして過ごしているところと分けた方が個人的には良いと思うところです。
またABA自閉症療育では消去バーストと言ってお子様が癇癪や物を投げると言ったことも生じる可能性もあります。
そのため怪我をしそうなアイテムや投げられると困る物はあまり近くに置かない環境も可能であれば準備しましょう。
お勉強をしていてお子様が椅子で後ろに倒れそうになることや、離席をしてすぐにどこかにいこうとすることもあります。
そのため壁の1面は物が置いていない場所があり、椅子の背につけられるスペースがある部屋が良いでしょう。
上でご紹介したイラストに「かべ側」と書いてありますが、椅子の背につけられる壁があると良いです。
以上のようなものがあれば良いですがもしすぐに準備するのが億劫、
と言った場合は1度ABA自閉症療育をやってみて、やってみてから必要そうであれば揃えて行くというスタンスを私は推奨します!
プリンターやラミネート、ホワイトボード
パソコンのワードソフト、プリンターがあると便利です。
ABA自閉症療育では自身で写真を撮る、Googleなどから画像を取ってきてカード教材を作って教えることが結構あります。
サイズはA4の紙に4枚のカードが入るサイズで作ることが私は多いです。
上は例ですがこんな感じ!
※ 上の教材は「時間(空)と天気(雨)(ABA自閉症療育教材)(https://en-tomo.com/?p=14494&preview=true&_thumbnail_id=14505)」からダウンロード可能
印刷が終わったらカードの真ん中「➕」の線と枠部分をハサミで切って4枚のカードにしましょう。
市販のカードでも良いのですが手作りできた方がお子様に合わせた教材を作ることができます。
私はパソコンで作っていますがタブレットでも作成可能でしょう。
作ったカードの印刷は最近はコンビニでも可能です。
※ ワードソフトをPDF化して印刷する等
私は今、家にプリンターがないのでコンビニで印刷をしています。
ただカラー印刷の場合は1枚50円かかるので、経済的な部分を比較してプリンターを購入するかどうか決めていきましょう。
作ったカードは紙の素材のまま使用するとすぐに傷んでしまって使えなくなってしまうためラミネートで加工することをお勧めします。
ラミネート加工するラミネーターはAmazonや楽天で購入可能で4000円前後で購入できます。
もし今後、凝った教材を作りたい(例えばラミネート加工したカレンダー等)場合はA3サイズまで印刷できるプリンターやラミネーターが良いでしょう。
ただ私自身は印刷物をA3加工のサイズでラミネートして使ったことが個人的にありませんのでA4サイズまでフォローできていればそこまで不便がないと思います。
A3サイズのホワイトボードがあるとお子様によっては便利です。
例えばまだ2歳とか3歳前半で椅子と机でお勉強するのが難しいお子様や机の上のカードを見るように促してもなかなか視点誘導が効かずカードを見てくれないお子様の場合、
A3サイズのホワイトボードを使ってカード課題をすることがあるのですがその場合、上イラストのようにお子様の目の前にホワイトボードを立てて提示し、カードを見せ課題を行います。
ホワイトボードを使った方がお子様はカードを見てくれる印象です。
この場合はホワイトボードとカードにマジックテープを貼って貼り付けましょう。
椅子や机を使わず、床に座って遊びながらや部屋でお子様が移動した先々にてA3ホワイトボードを使用してカードを使いお勉強をすることも可能です。
椅子と机を使って学習するスタイルを私は「机上学習(きじょうがくしゅう)」、対して床やお子様の移動先で行う学習スタイルを「フロア学習(ふろあがくしゅう)」と呼んでいます。
以上のようなものがあれば良いですがもしすぐに準備するのが億劫、
と言った場合は例えば100円均一でカードを買ってきてそれで始めても良いですし、
「受容課題(選択課題)」を行う場合はまず家にあるスプーンとかハンカチとか現物でやってみる、
「表出課題(言葉で行ってもらう課題)」の場合はスマホで画像検索をしてスクショ、スクショを使ってやってみるでも良いですし、
やってみてから必要そうであれば揃えて行くというスタンスを私は推奨します!
教材は?カード、微細系、積み木
教材はお子様に教えたいものを用意することが基本となります。
「でも、そんなこと言われてもよくわかんないよ!」という初めて方、ABA自閉症療育を行う場合、とりあえず以下の2点を意識して用意するのはいかがでしょう?
(1) 絵カード(自分でラミネートして作成可能、購入も可)
(2) 微細系
(1) 絵カード
基本的に「(1) 絵カード」は「正しいものを選択できえる」もしくは「正しく答えることができる」ことを目的として使用します。
例えば日常の生活の中で使用するアイテム、「コップ」「くつ」「かばん」を並べ、「コップ」と言ったときにコップを選択する(名詞課題)、
「コップ」「くつ」「かばん」を並べ、「飲むとき 使うのどれ?」と言ったときにコップを選択する(物の用途課題)、
などです。
日常の生活の中で使用するアイテムのカード以外に「動物」「のりもの」「くだもの」「たべもの」「家族」「色」「形」「数」「個数」「ひらがな」など、教えられるものがたくさんあります。
(2) 微細系
「(2) 微細系」は手先を使った活動を目的とするため、
・ パズル
・ 積み木
・ ひもとおし
・ シール貼り
など
また幼稚園・保育園の活動で使用するアイテム、
・クレヨン
・粘土
・おりがみ
・のり
・スプーンやお箸などの食具
と、活動を行うためのアイテムでも構いません。
このとき、「一人のみの活動として達成させたいのか」、「支援者と同じものを作る(モデルを見る)ことを達成させたいのか」等で目的が変わってきます。
またもし「何を選んだら良いか」、「得に今できて欲しい等のこだわりはない」という場合は私個人の趣向性バリバリの独断と偏見を含んだ答えとなりますが、
・パズル
・積み木
・クレヨン
を選択ください。
そして、
(1)パズル ・・・ 2ピース等でも良い、お子様のレベルに合わせたものを購入する。「一人のみの活動として達成させたい課題」として行う
(2)積み木 ・・・ 2個縦と横支援者が示したように並べるとかでも良い。「支援者と同じものを作ることを達成させたい課題」として行う
(3)クレヨン ・・・ Webブラウザを通して縦線や横線を引く運筆課題のプリントを印刷してくる。「一人のみの活動として達成させたい課題」として行う
もしくは、
A4を4等分した紙を用意して支援者が縦線を書いたら縦線を、横線を書いたら横線を引いてもらう。「支援者と同じものを作ることを達成させたい課題」として行う
以上の3つを行いましょう。
他にも粗大系として「ボール」、「縄跳び」や「トランポリン」などもあれば便利かもしれません。
他にも絵本などもあると良いでしょう。
色々あるに越したことはないと思うのですが「準備してから」となるとなかなか始めるまでに億劫になってしまいます
A4の紙を4等分や折り紙はコピー用紙がなければ裏紙でも良いでしょうし、
同じものを作らせる課題のアイテムがなければ割り箸を使って同じものを作らせる(例えば「横に並べる」か「十字にさせるか」等)でも良いと思います
やってみてから必要そうであれば揃えて行くというスタンスを私は推奨します!
ハマるかわからないので「まずやってみる」が大切でしょう
さいごに
本章はABA自閉症療育が実際に家でできるように書いて行く章として意識しています。
本章次のブログページは「強化子選定、強化の練習」を意識したページです。
その後、誤学習について、DTTの受容課題・マッチング課題・表出課題のページ、動作模倣と音声指示、音声模倣のページへと進み、
模擬プログラムの提案などを考えています。
本ブログページで何度か記載してきた内容もありますが本章の趣旨は「とりあえずやってみる」です。
私は「やってみる」ことはとても大切だと思います。
次のページでご紹介する「強化子選定、強化の練習」はABA自閉症療育の肝となりますので、是非実践をしてみてください。
また「誤学習」も特に大きく発達が遅れているお子様にとってはとても大切なキーワードとなります。
例えば無発語のお子様の場合などは次の「強化子選定、強化の練習」、そして「誤学習」についてのページもお読みいただき、実践いただけると幸いです。