本ブログページでは「関係フレーム理論」で考えられているルール支配行動である「プライアンス」と「トラッキング」と「オーギュメンティング」とはどういったものかを解説していきます。
ゼトルとヘイズ(Zettle・Hayes,1982)はルール支配行動の機能分類に関する理論的分析を行っており、彼らはルール支配行動を「プライアンス」と「トラッキング」と「オーギュメンティング」の3つに分類しました(日本行動分析学会,2019)。
本ブログではこれまで「ルール支配行動と随伴性形成行動、それぞれの強みと弱み(ABA:応用行動分析学の言語行動5)(https://en-tomo.com/2024/08/23/rule-governed-behavior-and-contingency-forming-behavior/)」というブログページにて、
ルール支配行動について、
・ ルール支配行動・・・ルールによって制御される行動、ルールによる制御とはルールがそのルールの中に示された行動を制御すること
・ ルール支配行動・・・言語刺激に従って行う行動
とご紹介をしました。
「〜のときに(先行状況)」、
「〜をしたら(行動)」、
「XXという結果になった(結果)」、
以上の三項随伴性が記述されたルールによって行動が制御される、
これは言語刺激、例えば直接体験していなくとも他者からそのように聞かされ、行動が制御される場合は「ルール支配行動」です。
例えばJoann C. Dahl・Jennifer C. Plumb・Ian Stewart・Tobias Lundgren (2009) は必ずしも直接的な経験によって世界に対して最も効果的な反応の仕方を学習できるとは限らない、
「薄い氷の上を歩いては行けない」というルールは誰もが聞いたことがあって従っていると述べています。
もし私たちが直接経験によってしか学べないとすれば「薄い氷の上を歩いては行けない」ということも直接経験してでしか学べないことになり、それは死んでしまうことのリスクに大きく繋がるでしょう。
例えば「遠くまで泳いで行ってはいけない」とか「フグの肝臓は食べてはいけない」など、
ルールによって学べることの価値が高いことは容易に想像がつきます。
本章のこれまでのブログページでも述べてきましたが、上でご紹介した三項随伴性が記述された言語刺激に従って行動が生起する場合がルールであるというのは、
「ABAに多大な貢献をしたB.F.Skinnerの提唱した言語行動」の時代のものであり、現代では少しルール支配行動が持つ意味もさらに進んできている印象です。

本章1つ前、2つ前のページで「関係フレーム理論(Relational Frame Theory:RFT)」という1990年代に入り研究が進められた比較的新しい言語行動の研究領域をご紹介してきました
詳しくは以下の
2つ前のページ「関係フレーム理論」ってなに?:「刺激等価性」とは?も解説(ABA:応用行動分析学の言語行動7)(https://en-tomo.com/2024/10/18/what-is-relational-frame-theory/)」
をご参照いただければと思うのですが内容が難解なため、
以下の1つ前のページ、
『「関係フレーム理論とは?」、簡単に書き直した(ABA:応用行動分析学の言語行動8)(https://en-tomo.com/2025/01/10/relational-frame-theory-easy/)』
を興味があればご参考いただきたいです。

今回ブログ記事でご紹介して行く「プライアンス」「トラッキング」「オーギュメンティング」は関係フレーム理論で考えられているルール支配行動の比較的に新しい知見です。
以下「プライアンス」「トラッキング」「オーギュメンティング」について見ていきましょう。
プライアンスー関係フレーム理論でのルール支配行動
「プライアンス(Pliance)」は「コンプライアンス(Compliance)」の用語に由来するルール支配行動のひとつです(Steven C. Hayes・Kirk D. Strosahl・Kelly G. Wilson,2012)。
「コンプライアンス(Compliance)」は要求や命令に応じることという意味を持っています。
Niklas Törneke (2009) はプライアンスは私たちが学習する最初のルール支配行動であると述べました。
※個人的には本ブログでメインとしている例えば自閉症で言語の発達が遅れているお子様などについてはプライアンスが学習する最初のルール支配行動でない可能性はあると思っています
Steven C. Hayes他 (2012) はプライアンスについて、
プライアンスはその言語ルールと行動の一致が社会的に確認されたことで何かしらの結果が生じた、という過去の経験によって生じたものである
と述べました。
Steven C. Hayes他 (2012) は、
例えば親が子どもに「コートを着なさい。外は寒いわよ」と言ったとき、もしもその子どもが以前に自分がそのルールに従った結果、
親がどう反応したかと言う過去の履歴に基づいて親を喜ばせるため、
または反対に怒らせるためにその行動をとったのだとしたら(つまり子どもの反応は寒さをしのぐためではない)、
この行動はプライアンスにあたる
と述べました。
三田村 仰 (2017) はプライアンスについて、
言うなれば「人に言われたからやる」というルール支配行動であり、影響力のある話し手を満足させるために聞き手が指示に従う行動がプライアンスである
と述べてます。
このようにプライアンスは「実際に記述された結果(例で言えば本当に寒さを凌ぐことができるため、コートを着ることにお子様本人も価値を感じている)」を得るためではなく、
相手が怒らないようにとか、影響力のある相手へ社会的に応じることを理由とし従う行動です。
谷 晋二 (2020) はルール支配行動はときにはうまくいかない行動を継続させることがある、と述べていますがプライアンスはまさに「うまくいかない行動を継続させる」原因になります。
影響力のある相手が怒らないようにあなたが行動するとき、もしかするとあなたに「納得感」はないかもしれません。
これが続いていったとき、あなたは「不満感」をつのらせて行く可能性があるでしょう。
例えばあきらかに理不尽だと感じながらも、相手の言ったようにしないと相手の機嫌が悪くなるため笑顔で対応をし相手の言ったように行動を続けて行くことはしんどいと思います。
また上で、
Steven C. Hayes他 (2012) を上で参考にした箇所にて、
例えば親が子どもに「コートを着なさい。外は寒いわよ」と言ったとき、もしもその子どもが以前に自分がそのルールに従った結果、
親がどう反応したかと言う過去の履歴に基づいて親を喜ばせるため、
”または反対に怒らせるためにその行動をとった”
とSteven C. Hayes他 (2012) は述べているのですが、
上で太文字にした部分、「または反対に怒らせるためにその行動をとった」ということもあり得るようです。
私たち大人はあまりそのような行動を取ることは少ないかもしれませんが、
三田村 仰 (2017) は、
例えば非行少年が単に親や教師に従いたくないという理由で問題行動を起こす行動はカウンタープライアンスと呼ばれると述べました。
「相手に嫌な思いをさせたい」、これは「相手に対しての攻撃行動」なわけですが、
例えば私たちは相手から攻撃されたとき(少し嫌だなと思うことを求められたときも含む)などに、実行するかどうかは別として相手に対して嫌な思いをさせたいと言う気持ちがわくことがあるでしょう?
こういったとき、私たちの行動の目的として「相手を攻撃する」ということも目的になることがあります。
このようなときもまた「実際に寒いからコートを着る」という実利によって起こっている行動ではなく「言語ルールと行動の一致が社会的に確認されたことで何かしらの結果が生じた」、
寒さなど関係のない社会的な結果を得ることを目的としているためにプライアンスである、と解釈する、ということになります。
関係フレーム理論はABAの1つの理論で、ABAは心理学領域の一つです。
そのため精神病理を説明したり解決したりすることに使用するのですが、関係フレーム理論でのルール支配行動「プライアンス」「トラッキング」「オーギュメンティング」の中で、
本項の「プライアンス」は現実の随伴性(特定の状況で実際に手に入る結果)とズレが生じる可能性がある、という意味で精神病理を引き起こす1つの大きな要因と考えられています。
例えば社会的な不安がかなり高く「私はクラスメイト全員から嫌われている」と本気で感じていたときも、
本当は35人のクラスメイトのうち、35人全員が嫌っている(無関心という人や別に嫌じゃないと思っている人もいる可能性は高い)、というのは現実の結果とはズレたルールによって行動が縛られ、精神が蝕まれて行く1つの要因です。
そのように考えてしまうと萎縮し、特に嫌われていないかもしれない人にもアクセスできなかったり、攻撃的に当たってしまったりすることは悪循環を生じさせ、現実に起こっている結果からズレた中でさらにズレが加速して行く要因になるでしょう。

トラッキングー関係フレーム理論でのルール支配行動
プライアンスは「実際に寒いからコートを着る」という実利によって起こっている行動ではなく社会的な結果を得ることを目的として行動が生起していました。
対してトラッキング(Tracking)は実際に起こったことを記述したルールです。
Steven C. Hayes他 (2012) はトラッキングについて、
トラッキングはその言語ルールと自然の随伴性が実際につながっていた、という過去の履歴に基づいている
と述べました。
随伴性とは何か?について、日本行動分析学会 (2019) を参考にすれば、
行動分析学(ABA)において随伴性とは先行事象、反応、後続事象という3項の時間的な順序関係
のこととなります。
例えば、
お腹が空いているとき(先行事象)、おにぎりを食べれば(反応)、空腹感が減る(後続事象)という時間的な関係です。
もしあなたが誰かに、
「お腹が空いているとき(先行事象)、水を飲めば(反応)、空腹感が減る(後続事象)」
と聞いて、上記のルールについてやったことがなかったとしましょう。
実際にやってみて「空腹感が減る」という現実に結果を得ることができた時、お腹が減ったときにこのルールに従い水を飲むことを行った場合は、トラッキングによる言語行動に従っていると言えます。
Steven C. Hayes他 (2012) は、
例えば親が子どもに「コートを着なさい。外は寒いわよ」と言ったとき、もしもその子どもが以前に自分がそのルールに従った結果、
実際にコートを着たときと着なかったときに起きる結果(外の外気に対し、実際に寒くなくなるかどうか)が正確であり、
その過去の履歴に基づき寒さをしのぐためのコートを着たならばそのツール支配行動はトラッキングにあたる
と述べました。
Steven C. Hayes他 (2012) は、
人はプライアンスによって単に社会的な結果(影響力)のためにルールに言われるがままに従ってしまうことがある一方、
トラッキングは人が自分の行動に直接的な結果に触れることでその人がむしろ自然な環境に適用できるようにし、トラッキングはプライアンスよりも柔軟な行動形態を生み出すことになる
と述べています。

個人的にはプライアンスだけに縛られて行動をするより、
トラッキングの割合を増やして行くことは精神衛生上良いこととだと考えているところです
三田村 仰 (2017) はプライアンスとトラッキングの違いはその機能にあるので見た目の形態から区別することはできないと述べました。
上のSteven C. Hayes他 (2012) のコートの例は、本ブログ内にてプライアンスとトラッキング両方を書きましたが、確かに見た目上ではどちらか判断がつかないでしょう。
私はカウンセラーなのでもしその人が今悩んでいる。
その悩みは本当は自分は納得していないけれども周りの人の期待から仕方なしにやってしまっているプライアンスによる問題なのか、
トラッキングによる問題で自分も納得して今やっているのだけれどもなかなか結果が上手く出るないことの悩みを今私は聞いているのか、
という点、すごく大事なのでカウンセリングの際は重要な点として意識してお話をお聞きするようにしています。
また本項目最後に、ここまでの内容に加えて参考知識として、
プライアンスを引き出すルールを「プライ」と呼び、トラッキングを引き出すルールを「トラック」と呼ぶことも覚えておきましょう。
ここまで対比して「プライアンス」と「トラッキング」を見れば、「トラッキング」の方が優秀なルールのように見えたかもしれません。
これらはメリットとデメリットもありますので、以下、簡単にその点について書いていきましょう。

「プライアンス」と「トラッキング」のそれぞれのメリットとデメリット
さて「プライアンス」と「トラッキング」のそれぞれのメリットとデメリットはどういった点でしょうか?
・「プライアンス」はその言語ルールと行動の一致が社会的に確認されたことで何かしらの結果が生じた、という過去の経験によって生じたもの
・「トラッキング」はその言語ルールと自然の随伴性が実際につながっていた、という過去の履歴に基づいているという
「プライアンス」は行動の一致が社会的に確認されるだけで良いので、実際にルールの結果が「自然の随伴性」につながっているかどうか確認する必要がなく行動が生起するため、即効性があります。
例えば今年中学校に上がったお子様がいて、そのお子様は初めての中間テストの前でした。
「なんかお母さんが一夜漬けは辞めとけっていうてるから、一応テスト前はちゃんとスケジュールを立てて、毎日2時間は勉強の時間を作って一夜漬けはやめるようにしよかな。これまでお母さんが言うことは確かに正しいって思うことがあったし」
というルールは実際に一夜漬けを体験したことがなくとも即効性を持って行動を変えることができる例でしょう。
お子様は実際に一夜漬けを行って失敗した、という経験がなくとも、お母様からの指示で行動を体験することなく変えることができています。
しかし「プライアンス」のデメリットは常に現実的で実際に起こる結果を反映するわけではないということです。
例えば上の「一夜漬けを避ける」という行為は良いルールをお母様が教えてくれた例と言えるかもしれません。

しかし以下はどうでしょう?
例えば「お友達同士でも、絶対に冗談は言ってはいけません。不真面目だと思われてしまいますよ」
というルールをお母様がお子様に言っていたとしましょう。
しかし実際はお子様はクラスの中で『冗談も言うけど、先生や生徒から「真面目だ」と評価されている友人』を見ることもあるでしょう。
こうなった場合、お母様が教えてくれたルールは実態を反映していません。
これはプライアンスというルールが適切に結果を反映していない例です。
プライアンスというルールは実際の内容を反映しているわけではない可能性があることには注意しましょう。
「トラッキング」のメリット、実際にルール通りの結果が現実についてくる可能性が高いということです。
ただ結果がついてきたということを実感(確認、学習)する必要があるので時間がプライアンスと比べてかかってしまいます。
そのため、ときと場合によりますがプライアンスと比較してすぐに適用できない場合があるということがデメリットでしょう。
また「プライアンス」も「トラッキング」も「言語ルール」であるということを忘れてはいけません。
「ルールによって行える」と考えてしまうことは「本来言語ルールでは上手く対応できない状況」には対応できない、ということになります。
例えばこれまで「東日本大震災」や「コロナ禍」など、私たちの力でどうしようもない環境変化が生じてきました。
例えばGoogle検索(2024.10.24)で「地震 やってはいけないこと」と検索するとGoogleのAIが「部屋の中を裸足で歩く」という項目を出してきました。
私たち日本人は土足で部屋を歩き回ることを日常的にしませんが、一瞬で環境変化が生じる大きな震災の場合などは破片などを踏んで怪我をするリスクを考慮すればクツを履いた方が良いのかもしれません。
私は、クツは糞便などのあらゆる汚れが付着している可能性があり、生活空間にてクツを履いて移動することは、私は衛生面の観点から例えば感染症などに罹患するリスクを上げる可能性があると考えています。
これは私の中にあるルールなのですが、しかし大きな震災の場合など一瞬で環境変化が生じたときはこれまでのルールを捨てて、その環境に柔軟に適用する行動を行う方が有利な状況がある、ということがあるでしょう。
このように「プライアンス」も「トラッキング」もあくまで「言語ルール」であるということを忘れてはいけません。
環境に適用できるように変化できる柔軟性についてルールは弱いところがあるので、その点は「プライアンス」も「トラッキング」両方にあるデメリットとして重要だな、と考えています。

オーギュメンティングー関係フレーム理論でのルール支配行動
オーギュメンティングはある出来事の持つ結果としての機能について、その程度を変えるルール支配行動です(参考 Steven C. Hayes他,2012)。
三田村 仰 (2017) はオーギュメンティングは特殊なルール支配行動だと述べています。
三田村 仰 (2017) はオーギュメンティングについて、プライアンスやトラッキングを装飾する、いわば「そう聞くとしたくなる/萎える」という反応を引き起こすものだと述べました。
Steven C. Hayes他 (2012) を参考にすれば、オーギュメンティングは2種類あります。
1種類目:形成オーギュメンティング(Formative Augmenting)
2種類目:動機づけオーギュメンティング(Motivative Augmenting)
の2つです。
日本行動分析学会 (2019) は、
「形成オーギュメンティング」について、行動の結果となる出来事や事象に対し、強化的もしくは弱化的な機能を新たに”形成する”機能を持つと述べ、
「動機づけオーギュメンティング」については、行動の結果となる出来事や事象が持っている強化的もしくは弱化的な機能を”変える”機能を持つと述べました。
例えば古本屋で1冊の本が売っていたとします
その本の見た目やタイトルについてあなたは全く興味を持っていませんでした
すると、後ろにいたグループの人が「あれ、あの本、めちゃくちゃ今プレミアついてる本ちゃう?」
とその本を指さして話していることを耳にしました
その瞬間まで全くあなたはその本に価値を感じていなかったにも関わらず、「プレミア」というすでに学習済みの自分にとって価値のある言葉とその本が結びつくと、
急にその本に興味を持つようになり買ってみようかと思うくらいその本が欲しくなる
上は「行動の結果となる出来事や事象に対し、強化的もしくは弱化的な機能を新たに形成する」の例で、
その人にとって価値が無かったものに新しく価値が生まれ、(買ったのちに得られるであろう例えば希少価値を手に入れられるという結果)機能が新たに形成された「形成オーギュメンティング」の例です。
対して「動機づけオーギュメンティング」の例としては、すでにあなたにとって強化的もしくは弱化的(罰的)な機能を確立しているものの強さが変わるイメージで、例を出せば、
お父さんはお子様のことをすごく大切にしています
ある日、学校の懇談会のお知らせが来たのですが仕事に穴を開けることができなさそうなので、懇談会には欠席しようと考えていました
するとお父さんは同僚から「君は日頃から子どものために父としてそこに居るのが大切だと話しているじゃないか?」と言われました
もともと大切にしているお子様との時間をもっと大切に、というルールに基づき、その言葉のおかげでお父さんは懇談会に出席することにしました
このように例えばもともと強化的だった「お子様と共に居る」という価値をさらに強化的にする、というような形で機能を変えたので、「動機づけオーギュメンティング」の例です。

ちなみに上の2つのエピソードは「Niklas Törneke (2009)」を参考にしました
面白い本ですよ!
※参考文献欄に詳細あり
Niklas Törneke (2009) はどちらのオーギュメンティングも私たちが一般に動機づけと呼ぶもの、私たちにとって物事がどれほど重要と感じられるかに影響を与えると述べています。

さいごに
さてここまでルール支配行動の3つの種類、
・プライアンス
・トラッキング
・オーギュメンティング
について見てきましたが、いかがだったでしょうか?
個人的なイメージとしてはルールは「プライアンス」か「トラッキング」に分けられ、そのルールの機能を変えるルールが「オーギュメンティング」である、という見方をしています。
特に「オーギュメンティング」は面白くて、新しく価値を作ったり(形成オーギュメンティング)、もともとあった価値の影響力を強めたり弱めたり(動機づけオーギュメンティング)、という少し特殊なルールでしたね。
さてここまで見てきたルール支配行動ですがルール支配行動は本来、私たち人間の環境への適用を格段に高めてくれるものです。
しかしときとして、ルール支配行動が不適切行動を起こすこともあります。
三田村 仰 (2017) はとりわけルール支配行動が厄介な問題を引き起こすのは回避行動に結びついたときだと述べました。
次の本章ブログページではその点について書いていきたいと思います。
【参考文献】
・ Joann C. Dahl・Jennifer C. Plumb・Ian Stewart・Tobias Lundgren (2009) The Art and Science of Valuing in Psychotherapy: Helping Clients Discover, Explore, and Commit to Valued Action Using Acceptance and Commitment Therapy 【邦訳: 熊野 宏昭・大月 友・土井 理美・嶋 大樹 (2020) ACTにおける価値とは クライアントの価値に基づく行動を支援するためのセラピストガイド 星和書店】
・ 三田村 仰 (2017) はじめてまなぶ行動療法 金剛出版
・ Niklas Törneke (2009) Learning RFT An Introduction to Relational Frame Theory and Its Clinical Application 【邦訳 監修:山本 淳一 監訳:武藤 崇・熊野 宏昭 (2013) 関係フレーム理論(RFT)をまなぶ 言語行動理論・ACT入門 星和書店
・ 日本行動分析学会 (2019) 行動分析学辞典 丸善出版
・ 谷 晋二 (2020) 第一章 言語と行動の機能分析 【谷 晋二(編著) 言語と行動の心理学 行動分析学を学ぶ 金剛出版】